多様な働き方ができる「派遣社員」 3つの「派遣型」でアナタらしい働き方を!

2020.03.18

働き方改革の施行により、多様な働き方をする人が増え、ワークライフバランスを保ちやすい「派遣社員」としての雇用形態を選択する人が増えています。

また企業側としても、一時的な人材不足を補うことができるので、派遣社員を採用する企業も増えています。

派遣社員と一口に言っても、その種類は1つではありません。派遣社員は、「登録型派遣」「無期雇用派遣」「紹介予定派遣」の3種類が存在します。

今回は「派遣社員」について、その種類や派遣社員のメリット・デメリットをご紹介します。

派遣社員とは?

派遣社員とは、「雇用契約した会社とは違う会社で働く」社員のことを指します。つまり、その会社の社員であるかないかの違いです。

雇用契約した会社を「派遣会社」、実働する会社を「派遣先企業」と言います。

派遣社員には3つの形態が存在します。

・登録型派遣
登録型派遣では、派遣会社が派遣社員を募集し登録します。そして、登録された人の中から、派遣先の会社や業種に合った人を選び、派遣先企業と契約を結びます。派遣先企業と契約が締結した時点で、派遣会社と登録した人との雇用契約が成立し、初めて登録者から派遣社員になります。

また、派遣契約が終了した時点で、派遣会社との雇用契約も終了となります。

派遣社員の中でも、「登録型派遣」は最も多く、一般的に派遣社員と言うと、この登録型派遣のことを指します。雇用契約期間中は、社会保険や福利厚生を受けることができます。

・無期雇用派遣
無期雇用派遣は「無期雇用派遣社員」として派遣会社に応募します。そして、選考を通過したのち、派遣会社の社員として派遣先企業に派遣される形態を指します。

無期雇用派遣社員は、限りなく正社員に近い働き方になり、派遣先は決まっていない間も、派遣会社から給与を受け取ることができます。よって、登録型派遣より給与面では安定しており、最近取り入れられている新しい形態の派遣社員です。

・紹介予定派遣
紹介予定派遣は、派遣期間終了後に派遣されていた派遣社員が、そのまま派遣先企業と、双方合意の元、直接の雇用契約を結ぶことを前提とした派遣形態を指します。

この紹介予定派遣は、正社員として雇用契約を結ぶ前に、企業や業種と合っているかを判断できる、言わば「お試し期間」として確認できるという、会社側、社員側の双方にとって最大のメリットがあります。

派遣期間は最大で6か月ですが、派遣先企業と労働者の双方が望めば、期間を6か月以下に短縮することもできます。

派遣社員のメリット

・働き方を自由に決められる
派遣社員は正社員と違い、自分のライフスタイルに合わせた勤務形態や、自分のしたい仕事を選ぶことができるという、自由度の高さがメリットです。

東京都産業労働局が行った「平成26年度 派遣労働に関する実態調査」では、派遣社員の男女比において、女性の方が64.4%と多く、また女性の年齢構成では30代~40代だけで73.8%を占めています。

30代~40代の女性は、結婚や出産・育児などで、正社員のような働き方をしづらくなる時期でもあり、派遣社員という働き方は、子育てと仕事を両立しやすいというメリットがあります。

また、自分の特性や特技を活かした仕事を選ぶことができることもメリットの1つです。

・キャリアアップを望める
派遣先企業の選考がなく、派遣会社から派遣されれば、大企業や最先端のIT会社で働くことができます。

実際に第一線で働くことはできなくても、派遣先企業の正社員がどんな能力を持ち、日々どのように勉強しているのかを、間近で体験することができます。

優秀な人たちに囲まれて過ごす日々は、自らのキャリアアップ思考に良い刺激を与え、高い向上心を持つことができます。

・派遣会社からのサポートを受けることができる
派遣会社では、登録者を対象としたキャリアアップサポートの研修を行っています。一般的なビジネスマナーや、PCスキルなどの研修を受けられるほか、資格取得に対して支援を行っている派遣会社もあります。

また派遣先や仕事、給与に対しての相談をすることもでき、派遣先では相談しにくい問題も、派遣会社が派遣先企業との間に入り、解決に努めてくれます。

派遣社員のデメリット

・収入が不安定
登録型派遣では、派遣先企業と契約ができなければ、給与を得ることができません。また、派遣期間が終了して、すぐに次の派遣先が決まらない場合、無収入の期間ができてしまいます。

常に安定した収入を得ることができないというリスクを背負うというデメリットがあります。しかし、無期雇用派遣であれば、派遣先企業が決まらなくても、派遣会社から給与をもらうことができます。

・正社員との待遇差がある
登録型派遣では、一般的に交通費やボーナスは支給されません。
また同じ仕事をしていたとしても、正社員とは待遇面で差が生じます。

・能力により給与の差が大きい
専門的なスキルが求められる職種であれば、時給が高く設定されますが、派遣社員の職種に多い一般事務や軽作業などは、専門職に比べて低い傾向にあります。登録型派遣の場合、交通費が支給されないことが多いので、手取りの給与を低く感じることもあります。

派遣社員として働きながら、派遣先企業でのキャリアアップや、派遣会社からのキャリアアップサポートを受け、自分のスキル向上を図りましょう。

派遣社員という働き方に対する規定は、1986年に「労働派遣法」が施行されてから、様々に変化しており、派遣社員にとって、より働きやすい環境へと変化しつつあります。

昔のように、「正社員になれないから」ではなく「多様な働き方ができる」「自分のワークライフバランスが実現できる」という優良な選択だという考え方に変化しています。

今後も派遣社員に対する規定の変更で、派遣社員に対するデメリットが解消され、より働きやすい環境に変わることが望まれます。

(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一