週休三日制の導入がもたらす効果やメリット、デメリットは?

2020.03.18

2019年に4月に「働き方改革」が施行されてから、「残業時間の短縮」や「有給休暇の取得」などの労働時間に関する対策が、各企業で行われています。

複数存在する働き方改革の中で、注目されているのが「週休三日制」です。

各企業は人手不足による人員確保に対して、あの手この手で対策を練っています。

ただでさえ、現状人手不足であるにも関わらず、休日が増えることは、企業の労働力低下につながるのではないかと懸念の声が上がる中、週休三日制を取り入れる企業が増えています。

週休三日制を取り入れた企業は、どんなメリット・デメリットがあるのか、ご紹介いたします。

週休三日制のパターン

企業により週休三日制の導入パターンはさまざまですが、大きく2つのパターンに分類されます。

・1日の労働時間10時間×4日=週40時間(給与水準はそのまま)
・1日の労働時間 8時間×4日=週32時間(給与水準は下がる)

週休三日制のメリット

・人材確保につながる
週休三日制を導入している企業に魅力を感じ、入社を希望する人が増えます。また、育児や介護などで離職せざるを得なかった従業員を減らすことができます。

・残業代の削減
1日の労働時間を10時間として設定した場合、企業は残業代の削減を期待することができます。

・生産性の向上
1日の労働時間は8時間のままで、週4日勤務にした場合、限られた時間の中で業務をこなすためにはどうすればよいのか、無駄を省く方法について考え始めるようになります。

たとえば会議の時間を短縮したり、移動にかかる時間や費用なども見直したりして、これを解決するツールとして、リモート会議やリモートワークの導入を検討するなど、さまざまな局面から見直しを図り業務を効率化していきます。生み出された時間と経費をうまく利用し生産性の向上も見込めるかもしれません。

・スキルアップが望める
休日が週に1日増えることにより、これまで体の休息や、個人的な用事で終わってしまっていた休日を、自身のスキルアップの日にあてることができます。

現在の業務や将来のために、教養をつけたり、習い事をしたり、また健康維持のためにジムに通ったり、トレーニングをする日にできます。これは理想のワークライフバランスの実現ができる働き方であるといえます。

週休三日制のデメリット

・取引先や顧客とのコミュニケーション不足
ビジネスの取引先や顧客が週休二日制の場合、コミュニケーションが取れないことによって、情報共有ができない、業務が滞る、ビジネスチャンスの機会を逃すというリスクがあります。

・収入が減る
1日の労働時間を8時間にして給与水準を下げた場合は、収入が減ります。また1日10時間の労働時間にした場合であっても、残業代が発生しないので、月の残業代を見越して、生活費の内訳を考慮している従業員の収入も減ることになります。

・労働力減少を補う制度の導入が必要になる
移動時間短縮のため、外回りの従業員の勤怠管理ツールの導入や、遠隔で会議を行うためのリモート会議ツールなど、これまでと同じ生産性を保つためのツールが必要になります。また、社員ではなくても完結する業務はアウトソーシングに委託することも検討するべき事項です。

いかがでしたか?

働き方改革法案が施行され、長らく根付いていた日本の企業体質が、徐々に変化を遂げています。しかし、1度根付いた体質を一気に変化させることは難しく、特に「週休三日制」に関しては、導入に踏み出せない企業はまだ多いです。

「週休三日制」を導入にするには、収入が減る、1日の労働時間が長くなるなどの懸念事項もあります。導入の際には、社内でヒアリングを行い、社員にとってのデメリットを最小限で抑えられるような導入ルールが必要になります。

しかし一方では、今までの仕事中の無駄や、現代の便利なツールを導入するべきだった点を明確にできる良い機会でもあるといえます。

社員にとっては、休日が増えたとはいえ以前と同じような労働力を維持できるかを試される機会でもあり、仕事に対してのモチベーションアップになります。

週休三日制を導入する企業が増えれば、長らく根付いていた日本の企業体質は大きく変化するでしょう。また、全ての労働者が、働くことにやりがいを感じ、日本の労働力は更なる向上を遂げると思われます。

(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一