勤怠管理を怠ると罰則も…アナタの会社に適した勤怠管理方法は?

2019.12.10

みなさんは自社の勤怠管理をどのようにして行っていますか?

働き方改革により、残業時間や時間外労働、有給休暇取得に関して、遵守していない企業に対して、罰則が設けられるようになりました。

罰則を受けた企業は懲役や罰金だけではなく、程度によっては厚生労働省に企業名を公表されてしまいます。

企業名を公表された企業は、顧客や取引先へのイメージダウンはもちろん、人材を募集しても、応募する人はいなくなるでしょう。

このような事態をおこさないためにも、従業員の勤怠管理は、企業にとって重要な任務です。

今回は、勤怠管理をしっかりと行うためにも、勤怠管理方法や、それぞれの勤怠管理ツールのメリット、デメリットをご紹介いたします。

勤怠管理で管理すべき項目は?

・出勤・休日・欠勤日の管理
従業員が、月に何日勤務したかや、休日の日数を管理できるようにしましょう。

また、月に休むべき日数が守られていても、連続勤務が長すぎる場合は、従業員の健康管理不足によるトラブルを避けるためにも、管理が必要です。

・有給取得日・有給残日数の管理
2019年4月から施行された働き方改革により、企業は最低5日の有給休暇を取得させることが義務づけられました。

しっかりと有給休暇取得日数を管理し、罰金や懲役などの罰則を受けないように注意しましょう。

・始業・終業・休憩時間
従業員が何時から何時まで働いたのかを明確にしましょう。
従業員に休憩時間を与えることは、使用者の義務に当たります。

休憩時間に、上司の監視下においた業務を指示することは、就業時間に該当してしまいます。
就業と休憩の時間区別を、明確にしましょう。

勤怠管理の方法とメリット・デメリットをご紹介
タイムカードやタイムレコーダーでの管理

アルバイトやパートなど、時間単位で働く従業員が多い企業に多く導入されています。

出勤、退勤時間を打刻するだけのシンプルなタイムレコーダーから、月間の実労働日数や時間外労働時間など、限られた項目に限り、自動で集計してくれる機能のついたものまであります。

・メリット
コストが安価で済む
操作が簡単

・デメリット
打刻用のタイムカードとインクを定期的に購入しないといけない

手計算が必要になり、入力・計算ミスや、集計に人材コストや時間がかかる

労働基準法の関連法により、3年間保管しなければならず、社内での管理ルールを決めなければならない

エクセルでの管理

エクセルを利用した勤怠管理では、打刻から月間、年間の集計までを同時に行うことができます。

・メリット
インターネットから無料のテンプレートを取得すれば、エクセルを使える環境さえ整えられれば、導入や管理コストはかからない

セルに数式を入力しておくだけで、従業員の出勤、退勤時間や実労働時間を自動計算してくれる

・デメリット
セルの数式入力や、入力するセルの場所を間違えた場合、正しい就業時間管理が行えないなど、管理する従業員
の負担が大きい

外回りの従業員や在宅ワーク、テレワークの従業員には対応できない

法改正や賃金改正の際に、セルの計算式を全て入力し直さなければならない

クラウドツールでの管理

クラウドでの勤怠管理システムでは、スマホやPCと連携した勤怠管理が可能です。

・メリット
リアルタイムでの打刻ができるので、営業先から直帰する従業員やテレワークの従業員にも対応可能

集計や分析をする手間や時間がかからず、システム上で行うためミスを防ぐことができる

過重労働になっている従業員に対して、アラート警告することにより、適切な指導や処置をとることができる

法改正の際も自動で更新してくれる

・デメリット
導入コストがかかる

以上を参考に、従業員数やコストを考慮して、自社に合った勤怠管理方法を導入しましょう。

勤怠管理方法の注意点

従業員によって、勤務形態や雇用条件がそれぞれ違うため、以下の従業員に対しては、注意が必要です。

・パート・アルバイトの従業員
パート・アルバイトの従業員は、勤務日や出社時間、勤務時間がそれぞれ異なるため、注意深く管理する必要があります。

短時間のパート・アルバイト従業員は休憩時間がない場合もあり、また時給もそれぞれで違うため細かい給与計算や勤怠管理が重要です。

・多様な勤務形態の従業員
多様性のある働き方を導入している企業では、テレワークを行っている従業員に対応できる勤怠管理方法が必要です。

紙で打刻するタイムカードや、会社に出社しないと入力できないエクセル方式では対応できません。

・扶養控除内で働く従業員
配偶者や成人した子供の扶養内で働くことを希望している従業員は、月収や年収、週の労働時間の規定範囲を超えると、扶養から外れてしまうため、注意が必要です。

所得税が発生する「103万の壁」、自らの社会保険加入義務が発生する「106万の壁」「130万の壁」を考慮して管理しましょう。

勤怠管理方法を検討する際は、従業員や雇用形態などに合わせたものを導入することが重要です。

また、従業員にとって使いやすいものであるか、その勤怠管理方法により、管理を担当する従業員に負担がかかりすぎないかなどを考慮する必要があります。

働き方改革により、勤務管理に対してコンプライアンスの遵守が厳しくなった昨今、勤怠管理方法を再検討してみることも良いかもしれません。
(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一