欧米では既に導入されているサバティカル休暇でワークライフバランスの推進を!

2019.12.04

日本ではまだあまり導入されていない「サバティカル休暇」に注目が集まっています。

サバティカル休暇とは、ある一定年数勤続した者に対し与えられる長期休暇制度のことを言います。

働き方改革により、理想のワークライフバランスの実現や、多様性のある働き方へ変化しつつある昨今では、近い将来多くの企業が取り入れるであろう制度です。

今回はそのサバティカル休暇について、メリット・デメリットや導入する際の注意点などをご紹介していきます。

サバティカル休暇とは?

サバティカル休暇とは、ある一定年数勤続した社員に対して、与えられる長期休暇制度です。

特に、休暇理由を問われることもなく、少なくとも1か月以上取得でき、長い期間であれば1年取得する場合もあります。

元々は大学教員に多く採用されている制度であり、研究のための休暇とされる場合が多いですが、その使途は特に限定されず、自由に使うことができます。

自身のスキルアップのための語学や研究、海外の文化や教養を取り入れるために旅行に行くなど、制限なく自由に休暇を利用することができます。

最近では、ヤフー株式会社や株式会社ぐるなびなど、サバティカル休暇を導入する企業が増えつつあります。

休暇中の給料は基本的には無給ですが、有給休暇をサバティカル休暇に充当したり、またスキルアップや休養のために、援助金を支給する企業もあります。

サバティカル休暇のメリットは?

・スキルアップのための時間が取れる
長期休暇によって、資格取得や専門知識向上のために講習会に参加するなど、日々の勤務制度では、取れなかったスキルアップのための時間を確保することができます。

何か月もの休暇を取得できるのであれば、思い切って海外への短期留学をすることも可能です。

語学を習得できることはもちろん、海外の文化や社会を知ることで、教養が増え、将来の知識や経験の蓄え、人脈作りにも役立ちます。

・心身ともに休養することでリフレッシュできる
日々の休日では、いつもより睡眠時間を多く確保できただけにとどまってしまうことが多いですが、長期休暇であれば、体を休めることに加えて、メンタルリセットも可能です。

実は体のどこかの箇所に不調を抱えていたけど、病院に長期的に通院することができなかった人も、この長期休暇で、しっかりと治療することができます。

また、ストレスからの解放により自分を見つめなおし、休暇明けには新たな気持ちで仕事に向き合うことができます。

・企業のイメージアップになる
まだ、導入されている企業が少ない日本では、1か月以上の長期休暇が可能である企業に対して特に良いイメージを持たれます。

働き方改革により、理想のワークライフバランスを求める社会では、休暇制度やそれに対する会社のサポートに対して、より注目されます。

求職者は、同じ条件であれば、サバティカル休暇を取り入れている企業に対して応募し、企業はより優秀な人材を確保することができます。

サバティカル休暇のデメリットは?

・仕事復帰が困難になる
長期休暇を過ごしているうちに、休暇中の生活リズムで安定してしまい、仕事をする生活リズムに戻すまでに、時間がかかってしまう懸念があります。

仕事や働き方に対する考え方や思考も変化することも多く、復帰が困難になることもあります。

・新しい分野への開拓のために離職してしまう
サバティカル休暇中に、様々な新しい分野に触れ、知識を得たことで、現状の業務ではない違う分野の業務に興味を持ち、離職してしまうことが懸念されます。

企業は優秀な人材を逃してしまう他にも、代わりの人材を確保しなければならないデメリットが発生します。

サバティカル休暇導入での注意点

サバティカル休暇を導入する上で気を付けたいことは、サバティカル休暇を取れるような労働環境を作ることから始まります。

休暇を取得することに社員の誰もが抵抗を無くす雰囲気作りをしなければなりません。

また、サバティカル休暇中の社員の仕事を、誰がどのように担当するのか、また仕事復帰した際に、他の社員と従来のように働ける環境や雰囲気であることも重要です。

サバティカル休暇は、欧米に比べ、日本では導入している企業が少ないのが現状です。

欧米との違いは、「サバティカル休暇を導入しやすい労働環境」が整っていないことにあります。

前例が少ないことももちろんですが、社員が長期休暇を取得することに抵抗感がない労働環境作りをすることが重要です。

この労働環境を克服することができれば、導入する企業も増え、働く人と企業の双方にメリットが生まれます。

また、サバティカル休暇を抵抗なく取得できる労働環境になれば、働くことに関しての意識も良い方向へ変化し、より良い働き方改革への実現を目指せるでしょう。

(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一