子育てと仕事の両立をサポートする企業の「くるみんマーク」とは?
2019.12.03
(画像は写真ACより)
企業は、人材不足による労働力確保が難しい昨今です。
特に女性の出産や育児による離職を表すM字カーブは、欧米に比べて、まだ脱却できずにいます。
また、男性の育児休業の取得についても、数が少ない傾向にあります。
働く人にとって、子育てをしながら、働きにくい社会であっては、少子化問題を解消することができません。
そこで、厚生労働省は、子育てに対して積極的にサポートし、理解のある企業だと認定する「くるみんマーク」を設定しました。
今回は「くるみんマーク」の概要と、そのメリットや認定基準をご紹介します。
くるみんマークは、子育て支援などの一定の基準を満たし、申請を行った企業や法人に対して与えられるマークのことを言います。
これは次世代育成支援対策推進法に基づいており、当初平成17年4月に少子化対策として10年の期限を設けました。
この次世代育成支援対策推進法の期限をさらに延長し、くるみんマーク認定企業を増やし、より子育てと仕事の両立がしやすい社会を目指します。
また、平成27年4月より、既にくるみんマークの認定を受けている企業のうち、高水準の取り組みを行っている企業に対しては「プラチナくるみんマーク」を認定しています。
プラチナくるみ認定を受けている企業は、自社の広告や商品に対し、プラチナくるみんマークを表示することができます。
これにより、企業ブランディングができ、学生・求職者に対し、アピールをすることができます。
・くるみん税制を受けられる
くるみんマークを取得した企業や事業者はくるみん税制という税制措置を受けることができます。
これは企業が持つ次世代育成支援対策資産を、くるみん認定は1年間、プラチナくるみん認定は3年間、割増償却できるというものです。
その対象となる資産は、女性用休憩室や企業内託児所などです。
対象と認められる資産は一定の基準があります。
くるみん税制を受ける手順として
・自社の現状や従業員のニーズを把握する
・行動計画の策定
・行動計画を発表し、従業員に周知してもらう
・行動計画を策定した事項を都道府県労働局雇用環境均等部(室)へ届け出る
・行動計画を実行する
・行動計画期間の終了後にくるみん認定申請のための書類を提出する
・厚生労働省のHPに掲載される
厚生労働省のHPの掲載されることで、仕事と子育ての両立に対してサポートを行う企業としてアピールすることができます。
これは、人材確保のよいアピールであり、優秀な人材を確保することができます。
また、従業員が長期にわたり勤務をしてもらえるようになることは、人材確保や人材教育のコスト削減になります。
・行動計画策定の指標に照らし合わせた適切な一般事業主計画であること
・行動計画期間が2年以上5年以下であること
・行動計画を実施して、目標を達成したこと
・行動計画を従業員に発表して、周知したこと
・男性の育児休業取得の割合が7%または15%以上、且つ、1人以上いること
またプラチナくるみんマーク認定の場合は、男性の育児休業取得の割合が13%または30%以上、且つ、1人以上いることという項目になります。
また、女性の育児休業取得率が75%以上であることなど、満たさなければならない項目は、他にもあります。
しかし、この基準を満たした「くるみん認定」を受けた企業は、女性はもちろん、男性も育児に対して積極的になり、日本の少子化問題に対して、しっかりと取り組んでいる企業だということがわかります。
現在、くるみんマークを認定されている企業や事業主は2019年10月で3000社を超えました。
くるみん認定を受けた企業は、優秀な人材を確保したい企業側と、子育てと仕事をうまく両立して働きたい求職者、双方にメリットがある制度です。
ぜひ、くるみんマークを取得し、企業ブランディングを行い、優秀な人材を確保して、より企業の発展を望んでみてはいかがですか?
(画像はPixabayより)
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