サードプレイスがもたらす効果とは?その特徴は?

2019.11.19

日々の仕事で、働く人々は多くのストレスを抱えています。

そんなストレス社会で注目を浴びているのが「サードプレイス」です。

サードプレイスとは、自宅でも会社でもなく、そこからは離れた居心地の良い第3の居場所を指します。

サードプレイスという言葉は、アメリカの社会学者、レイ・オルデンバーグが1989年に「The Great Good Place」という著書にて提唱した言葉です。

サードプレイスの場所は主に、カフェや公園、日本ではスポーツジムや映画館なども挙げられています。

今回はその「サードプレイス」の特徴や種類、どのように注目されているのかを、ご紹介いたします。

サードプレイスが注目された背景には…

働き方改革が一部施行されたとは言え、多くの人々はまだ多くのストレスを抱えながら働いています。

自宅と会社の往復で、毎日が過ぎていくと感じている人も多いのではないでしょうか。

オルデンバーグも同様に、自動車依存型社会になった過去のアメリカ都市部に対し、人々をストレスから解放できる場所が必要だと感じたのです。

その考えのもと、発表されたのが「サードプレイス」でした。

現代の日本においても、うつ病や過酷な労働環境により自殺や過労死が発生している状況を無くせずにいます。
また、都市部では様々なことを合理的にし過ぎたがために、人と人とのつながりが希薄になりつつあります。

人間関係の煩わしさから脱却しようと考えた結果、孤独になりネガティブな思考を持ってしまった人も多いです。

このようなストレスや孤独感を解消しようと、企業の経営者や人事もサードプレイスに対して積極的に動き出しました。

サードプレイスの特徴は?

サードプレイスに対して、「ファーストプレイス」「セカンドプレイス」という言葉があります。

ファーストプレイスは自宅、セカンドプレイスは職場を表します。

オルデンバーグはサードプレイスの特徴を次のように定義しました。

・中立領域
サードプレイスは自分の意思で参加し、そこには政治、法律などの義務を感じることはないのです。
サードプレイスで過ごす時間は、自由で心地よくくつろげるものであると定義されています。

・平等主義
サードプレイスでは地位や性別、年齢や肩書きには関係なく、全ての人が平等でいられる場所であることです。
参加には何の条件もなく、要求される事項もありません。

・会話が主たる活動である
サードプレイスでは、明るく楽しい会話が活動のメインです。
討論や会議ではなく、人々のユーモアに富んだ会話であることを定義づけています。

・アクセスの良さ
サードプレイスは建物の外見が開放的で入りやすく、公共交通機関に近く、日常的に訪れることができる場所である必要があります。

・常連や会員が存在している
必ず常連の参加者がおり、その参加者によって空間作りを形成します。
新たな参加者には、常にウェルカムで温かい気持ちで受け入れることを定義づけています。

・控え目で包容的な態度や姿勢
サードプレイスは健全な場所であり、家庭のような存在であるべきです。
否定的で排他的な言動をとることができません。

・機嫌がよくなる
サードプレイスにいることで、緊張や憎悪といった感情を持たず、楽しい会話と笑い声にあふれた空間に満たされます。

・第2の家
サードプレイスでは、しばしば家庭のような温かみを感じる空間で、そこにいる参加者とは家族と過ごしているかのような、第2の家の存在であるべきです。

サードプレイスの効果は?

サードプレイスに参加することにより、会社以外のコミュニティを形成することができます。

サードプレイスでの交流は、会社では接することのできない様々な人々との情報交換を行うことができます。

それにより、今までにないアイディアを生み出すことにつながります。

また、孤独感を解消することにもつながります。

また、自らの意思でサードプレイスに参加することにより自立性を向上させます。

サードプレイスに参加することにより、日頃のストレスにより疲労してしまったメンタルをリセットすることができます。

また、人々とポジティブな会話で交流することにより、孤独感を解消し、自分の存在意義を再認識できる場所でもあります。

これらを経験することにより、日々の働き方に対して、リセットされた清々しい気持ちで挑むことができるでしょう。
(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一