キャリアラダー導入で従業員の意欲向上と能力開発を!

2019.11.18

看護職や外食産業の分野で取り入れられている「キャリアラダー」。

他にも、様々な職種で導入されており、従業員の意欲向上や優秀な人材を育成できる制度として注目を浴びています。

今回はそのキャリアラダーの意味や、メリットをご紹介します。

またよく似た言葉で「キャリアパス」という言葉も存在しますが、キャリアラダーとキャリアパスの違いについても、ご説明します。

キャリアラダーとは?

キャリアラダーとは、「キャリア(=経歴)」と「ラダー(=はしご)」を組み合わせた言葉です。

仕事の内容を、スキルや目標、難易度などで細かく分けて定義し、1つずつキャリアアップしていくことを言います。

社員がまるではしごを登るように、キャリアアップしていくことから、このような名前が付けられました。

それぞれの段階の内容や目標とするスキルを明確にすることで、着実にステップを踏んで、上位の職務に移行できるようにした人事制度や能力開発の機会を提供することができます。

キャリアパスとの違いは?

キャリアラダーとよく似た言葉に「キャリアパス」という言葉があります。

キャリアパスは、会社内でどの職種で、どのポジションで着任するのか、またそのポジションに至るまでの経緯や経験を積みながら、ステップアップしていくのかを表す道筋のことを言います。
簡単に言うと、どのルートで異動や昇進をしたかを表します。

どちらも、会社内でキャリアアップを目指すことに変わりはないですが、キャリアパスは職種が変更になることに対して、キャリアラダーは特定の職種に特化して、専門的な職種として、より難易度の高い上位の段階にステップアップできるように人材開発を行います。

キャリアラダーのメリットは?

・キャリア形成の段階が公正で明確に提示できる
企業内で、どのようなキャリア形成が、どの段階で設定されているのを明確に提示することができます。

社員は、自分がどの段階にいるか、どんな能力が必要になるかが明確になります。

共通したスキルや技術を提示することは、人事を評価する上で基準が公正なものとなり、社員も納得がいく人事評価制度として認められます。

・社員の能力開発の意欲向上になる
キャリアの段階や求められるスキルが明確になることで、社員は目標設定がしやすくなり、意欲向上につながります。

自分が努力すべき点やステップアップのための道筋がわかりやすくなると、上位へのキャリア開発のための目安がわかりやすくなります。

キャリアラダー制度の導入方法は?

・キャリアの階層化
最初に、キャリア形成のステップとなる階層を作る必要があります。

これは正規・非正規雇用に関わらず、キャリアの最も上位となる層まで、間断なく続くものであることが重要です。

階層の間隔が広がり過ぎていると、目標をたてることが困難になり、社員のモチベーションが途切れてしまうことにつながります。

階層の間隔が広がり過ぎることがないように、ステップアップできるような階層を設定することが重要です。

・従業員の評価システムを構築する
キャリアアップするのに適しているかを評価する基準が、上司や管理者によって相違があっては、人事評価システムが公正なものにはなりません。

また、評価対象者のスキルが、必要とされているスキルや技術と合致しているかを適切に判断しなければなりません。

評価項目や基準を社内でしっかりと明確にして情報共有することが重要です。

・キャリア研修を導入する
スキル開発のためのキャリア研修の実施しましょう。

従業員が自身のキャリアを見直し、目指すキャリアの目標設定をして意欲を高めます。

このキャリア研修では、適切な指導者の選定をしましょう。

指導者の選定は非常に重要であり、社内で指導力と影響力にあふれた人選が必要です。

人事担当者や年次の高い人ではなくて、必要であれば外部から講師を招いても良いでしょう。

働き方改革により、働くことに対しての意識が変化しつつあります。

今後は、自分のキャリア形成について、どれだけ向上心を持ち、意欲的に動けるかが試されてきます。

その中で、キャリアラダー制度は、自分の現在の段階が把握でき、次の目標までの求められるスキルや道筋、また最上位層までの段階が明示されています。

これは、従業員にとって、暗中模索の中で働くのとは違い、明確化された段階を、1つずつ登っていけるので、モチベーションを維持したままで職務に取り組むことができます。

ぜひ社内の人事評価制度にキャリアラダーを取り入れてみてはいかがでしょうか?
(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一