「給料」と「給与」違いってなに?

2019.10.31

皆さんもお仕事していると毎月給料日に「給料」をいただいてると思います。手渡しであれば封筒の中に、振り込みの人であれば個別で「給与明細」をいただいていると思います。でもみなさん「給料」と「給与」の違いって何かご存じですか?「別に給料も給与も一緒でしょ」と思っているそこのあなた!ちゃんと明確な違いがあるのです!そこで今回は「給料」と「給与」の違いを解説していきます!

給与と給料

毎月皆さんが一か月間頑張って働いて貰う「給料」これは皆さんの雇用形態によって違いはありますが、日にちごと時間ごとに働いた分だけもらえるお金、それを給料と呼びます。

簡単に言うと給料とは残業代や各種手当を含めない、基本給のみの事を「給料」と呼びます。

一方「給与」とはどういう意味なのか?「給与」とは「会社から支給されるお金全て」の事を言います。先ほどの「給料」と残業代や日当、住宅手当、ボーナスなどを含めた会社からもらうお金それが「給与」と言います。なので皆さんが毎月受け取っている明細は給与明細というのです。給与は現金のみではなく「現物給与」も含みます。これは労働協定によって認められており、ボーナスなどで自社製品が支給された場合、支給された者を「報酬」と捉え「給与」に含めます。これには金銭に換算した金額に対して「所得税」が発生するのでご注意ください。ただし現物で支給できるものには法律で細かく決められており換金しづらい物や会社が一方的に指定したものなどは支給できません。

給与明細は大事なもの

毎月皆さんが貰っている給与明細。近年では紙のみでなくWEBやPDFなどデータでの受け渡しも一般化しています。給与明細は年金記録の確認などに必要になることがあります。毎年「ねんきん定期便」でお知らせが届きますが、内容がちゃんと合っているか分からない時でも給与明細があれば振り返って確認が出来ます。いずれにせよ給与明細は大事なものですので紙の場合は大事に保管し、データの場合はバックアップを取っておきましょう。

賃金支払い5原則

給与計算には労働基準法が定める5つの原則が存在します。

通貨払い

賃金は基本的に通貨で支払わなくてはいけません。通貨とは国内で流通している貨幣であり日本では円となります。外国通貨や小切手は換金の不便さや価値が変動するため通貨払いの原則においては「通貨」と認められていません。ですが前述のした現物での支給の場合は通貨払いの原則の例外となります。

直接払い

賃金は直接労働者本人に支払わなくてはなりません。労働者の親権者や本人から委任を受けた任意代理人への支払いは違反となります。ですが配偶者や秘書などの「使者」への支払うことは問題ありません。

全額支払い

賃金は労働者に全額支払わなくてはなりません。賃金の一部を許可を得ずに勝手に差し引いたり(控除)積立、貯蓄といった名目で支払いを留保したり、貸したお金(貸付金)と相殺する事は許されていません。ですが社会保険や源泉所得税など法令に基づく控除は一部認められています。労働組合あるいは労働者の過半数の代表者と書面での取り決めを行えば賃金の一部控除が認められます。

毎月一回以上の支払い

給与は少なくとも毎月1回以上は支払わなくてはなりません。たとえばプロ野球選手のような年俸制であっても毎月分割して支払わないといけません。毎週支払う週給といった形も認められています。臨時に支払われる賞与等についてはこの原則は適用されません。通勤手当もこの原則の対象なのですが、労働協約などを結んでいる場合は定期券を支給することも認められています。

一定期日の支払い

給与の支給日は一定期日に支払うことが義務付けられています。毎月支払日を決めなくてはならず「毎月第2火曜日支払い」という形だと月ごとに最大7日異なってしまうため認められません。給与の支払いが休日の場合は繰り上げか繰り下げが可能です。

残業

労働基準法第32条で1日8時間1週間で40時間以内と定められており、このことを「法定労働時間」と言います。企業側が就業規則等で定めた労働時間を「所定労働時間」と言います。従業員が「法定労働時間」を越えた場合は25%増し以上の支払い義務が発生し、所定労働時間を越えた場合は残業代が発生します。

まとめ

給料と給与の違いはご理解頂けたでしょうか?給料と給与の違いを理解する事で賃金に関するトラブルを事前避けることもできます。もしも不安なことが少しでもあればお近くの法律事務所や労働基準監督署などに相談しましょう!

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高野勤一
高野勤一