2019年4月「働き方改革」、勤務間インターバル制度の普及促進とは?

2019.09.01
勤務間インターバル制度とは?

2019年4月から始まる働き方改革の一環として、勤務間インターバル制度の導入が予定されています。インターバルとは英語でintervalと表記し、間隔や休憩時間という意味があります。

つまり、勤務間インターバル制度とは仕事の終業時刻から次の始業時刻の間に一定時間の休息を設けなければならないという内容です。現状では、深夜まで残業をしても次の日の始業時刻には勤務しなければいけません。

しかし、深夜まで残業した場合は終業時刻から始業時刻の間に数時間しか休憩できず睡眠不足に陥ったり、疲労回復したりするには不十分な場合もあります。睡眠不足や疲労困憊の状態では仕事において良いパフォーマンスを発揮できず、余計に仕事の効率を悪くするでしょう。

更に健康への影響も懸念されます。労働者の健康を守るためにも、勤務間インターバル制度の普及促進が期待されています。勤務間インターバル制度の具体的な例として、終業時刻が遅くなった場合でも終業時刻から企業で決められた休息時間をとり、翌日の始業時間を遅らせるといった対応が想定されます。

もちろん遅刻扱いや半休扱いになることはありませんし、賃金への影響もありません。

努力義務となっている勤務間インターバル制度

勤務間インターバル制度の導入が決まっているものの、企業のこの制度への認知度は高いとは言えません。

近年の厚生労働省による調査でも、勤務間インターバル制度を導入している企業、導入を予定していたり検討したりしている企業は少ないという結果が出ています。

政府は2020年までに勤務間インターバル制度導入企業を10%以上にすることを目指しています。しかし、認知不足の他、導入にあたっての手順がわからないなどの理由が普及を阻んでいます。

企業でガイドラインを設定する
法が改正されることで勤務間インターバル制度に対して真剣に検討する企業は増えることが想定されます。しかし、業種や勤務形態などによって事情は異なるため、法によって一律に休憩時間を定めるというわけにはいきません。

企業毎にガイドラインを設定する必要があります。初めてのことなので戸惑う企業は多いかもしれませんが、先行事例を探したり、国が示す方針を参考にしたりすると良いでしょう。

勤務間インターバル制度に関する多くの情報に触れることで、自分の企業にも勤務間インターバル制度を導入できそうな道筋を立てることができるはずです。

日本が導入しようとしている勤務間インターバル制度の見本となっているヨーロッパでは、11時間の休憩時間が義務化されています。日本では8時間から12時間が例示されており、勤務間インターバル制度を導入する企業も休憩時間として8時間から12時間の間から時間を設定する場合が多いと想定されます。

特に医療や福祉に従事している労働者やサービス業者などは勤務が変則的で休憩時間がとりにくい状況なので、早急に事業所毎にガイドラインを作成して勤務間インターバル制度の導入が求められます。

勤務間インターバル制度をすでに導入している企業

現在はまだ数少ないと言われる実際に勤務間インターバル制度を導入している企業では、企業毎に様々な取り組みをしています。

終業時刻や深夜残業者にアラームで帰宅を促したり、ICカードでの出退勤時間の管理を厳格にしたりするなど企業毎によって決まった休憩時間を守るように努力しています。

守れなかった際の罰則はありませんが、話し合いの機会を設けたり、改善報告書の作成を課したりするなど企業内で対応は異なります。企業が勤務間インターバル制度への意識を高めることで、労働者の意識も変わってきます。勤務間インターバル制度が浸透する程インターバル違反者も少なくなるでしょう。

(画像は写真ACより)

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