休憩時間はアロマでリフレッシュ 香りで休み方改革?

2019.05.10

横浜市西区で商業施設「ジョイナス」を運営する相鉄ビルマネジメントが社員の休憩室にアロマの香りを漂わせ、社員にリラックスしてもらう取り組みを始めました。

たかが、香りと言うなかれ。香りを専門に事業を展開する会社が特別に調香したアロマで、リラックス効果のほか、仕事へのモチベーションを向上させる効果があるそうです。

働き方改革が叫ばれるなか、従業員に質の良い休憩を取ってもらおうという試み。働き方改革に香りも一役買うのでしょうか。

アロマで職場環境を改善

アロマを提供するのは、香りとリラックス効果の相関性などを研究し、企業向けのオリジナルアロマなどを開発しているコードミー(横浜市西区)。香りは柑橘系、フローラル系がベースで、これまで同社が蓄積・解析してきたデータに基づき調香したそうです。

今回の導入にあたり、両社は昨年、休憩室にアロマを試験的に導入。その結果、今後も続けてほしいという声が多かったことから、より好まれる香りにし、演出方法も改良して正式導入を決めました。

試験導入とはいえ、おおむね従業員からも公表だったようです。

4月27日から、ジョイナス内にある従業員休憩室4カ所にオリジナルアロマが置かれました。10連休という大型連休のなか、スタッフはアロマで疲れを癒やし、お客様へのサービスに励んだことでしょう。

働き方改革で休みが取れない

仕事を効率的に進めるには休憩も大事です。ところが、昨年12月、「働き方改革で仕事中の休憩が取りにくくなっている」というアンケート結果が公表され、話題になりました。

江崎グリコが一般企業で働く800人に対して行った調査で、会社員の4人に1人が「以前より忙しさが途切れず、ランチに出られないことが多い」と訴え、「仕事中のちょっとした休憩をデスクで取る」という人が増えているというのです。

そこで「ちょっと休憩でチョコを一口」というのは、少しCMくさいですが、疲れたときに席を立ち、甘いチョコを一口食べると、リフレッシュ効果が期待できるのは確かでしょう。

しかし、ランチを食べる間もないというのは、いただけません。適切な休憩を与えるのは、企業の義務であり、本人の健康や仕事の効率にもかかわります。

休憩時間にもルールがある

休憩時間の基本的なルールを押さえておきましょう。

労働基準法によって、労働時間が6時間を超えるときは45分間、8時間を超えるときは1時間の休憩を与えなければならないとされています。会社は休憩時間中、社員に仕事を与えてはならず、自由に過ごさせなければなりません。

つまり、「忙しくてランチを食べる間もない」というのは、法律違反であり、すぐに改善しなければならない状況なのです。

また、最近は昼食を取りながら、意見交換をしたり、軽い打ち合わせをしたりする「ランチミーティング」を行う企業が増えているそうです。社員同士の親睦を深め、業務を効率的に進めるのに、効果的かもしれません。

しかし、昼食時間は休憩時間ですから、決して参加を強要してはいけません。運営する側には、休憩時間であっても参加したいと思える有意義なミーティングになるよう努めることが求められます。

まとめ:しっかり休憩が取れる態勢を

アロマで休憩時間によりリラックスしてもらおうと考える会社と、働き方改革を進めてはいるものの社員が休憩時間不足にあえぐ会社。業種は違いますが、どちらの職場のほうが働きやすいかは明白です。

就業規則で休憩時間を定めていても、実際に社員が本当にリフレッシュしてモチベーションも上がるような休息を取っていなくては意味がありません。

企業には、実際に社員が休憩を取れているのか、しかも、質の良い休憩でリフレッシュできているのか、と常に目配りする姿勢が必要なのではないでしょうか。

(画像は写真ACより)

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高野勤一
高野勤一