プレミアムフライデー制度導入後の影響は?
2019.02.01
今では死語と言われますが、金曜日は以前「花金」と呼ばれ、休日前の仕事終わりに羽を伸ばす人が多くいました。花金が流行った当時はバブル時代ということもあり、経済的にも精神的にも余裕があった時代でした。
花金が持て囃された時代は終わり、現在は当時とは働き方や経済状況が変わりました。個人消費が低迷したり、仕事に忙殺されて心身共に消耗したりして金曜日の仕事終わりであっても余暇を楽しむ余裕がある人はあまりいない時代になりました。
そんな中、政府や経済団体は個人消費喚起対策の一環としてプレミアムフライデーを提唱しました。政府が力を入れる働き方改革にも繫がる対策の一つです。プレミアムフライデーとは、2017年2月から取り入れられたキャンペーンで、毎月月末金曜日は15時に仕事を終えてプレミアムな時間を過ごすという内容です。
金曜夕方から旅行に出かけたり、買い物や食事会など家族や友達と過ごしたりする時間が増えることで心が満たされるという効果があります。また、行く先々でお金を使うことで消費低迷の改善が期待されます。労働者にとっても、来客を期待するサービス業者にとっても嬉しい制度です。
プレミアムフライデー制度の導入に際して、メディアでも頻繁に取り上げられたため言葉の認知度は高いです。しかし、プレミアムフライデー制度を誰もが歓迎しているわけではありません。
喜ぶ声がある一方で、翌週に仕事のしわ寄せがくると悲観する声や月末金曜日は月の中でも忙しい時期で仕事を早く切り上げるのは有り得ないという現状を指摘する声も多々あります。
すべての企業での導入は現実的に不可能ですが、プレミアムフライデー制度を導入した企業も存在します。サービス業や金融系、運輸業などはプレミアムフライデーの導入が難しいと言われる一方、IT系や製造業など一部の業種を中心に特に大企業での導入が目立ちました。
実際にプレミアムフライデー制度の恩恵に与った労働者はどこかに出かけたり、家でゆっくり過ごしたりするなど思い思いの時間を過ごせて満足だという声もあります。
プレミアムフライデーに消費の促進を狙う企業も様々なサービスを用意してプレミアムフライデーに参加しています。参加企業は小売業、運輸業、レジャー関連業、旅行会社など多岐に亘り、それぞれの企業が特別企画や割引、限定プランを打ち出してプレミアムフライデーを盛り上げました。
プレミアムフライデー制度の導入後から時間が経ち、導入企業の少なさからも制度自体の課題が指摘されています。しかし、プレミアムフライデー制度を当初から導入した企業では定着のために様々な取り組みを行っているケースがあります。
新たな価値やアイデアを得る場を作るため他企業との交流の機会を設けたり、他業種と協力してプレミアムフライデーを狙った新しいサービスを提供したりするなどの変化が見られます。大企業のイベント宣伝力は強く、時間と共にプレミアムフライデー関連イベントが定着している場合も見受けられます。
また、自社社員の仕事を早く切り上げるだけでなく、消費者に対しての特典を用意するなど労働者と消費者の両方にとって喜ばれるように工夫している企業もあります。
プレミアムフライデー制度は失敗という意見もありますが、導入することで日頃の働き方の見直しをする機会を得て仕事の効率化に繫げることもできます。
プレミアムフライデーだけでなく、日頃から少しでも早く仕事を切り上げて余暇時間を増やすためにはどのように仕事を進めるべきか職場全体で考えるきっかけになるだけでもプレミアムフライデー制度は役に立つはずです。
(画像は写真ACより)
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