時間や場所にとらわれない「テレワーク」
2019.01.31
働き方の多様化で、仕事をするために職場に行かなければならないという時代ではなくなりつつあります。ずっと家にいるように見える人でも働いていないのではなく、テレワークという労働形態で働いている可能性があります。
ICTの発展は、多様な働き方を可能にしました。ICTとはInformation and Communication Technologyという英単語の略で、日本語では情報通信技術という意味です。テレワークは多様な労働形態の内の一つで、ICTを使いこなせるスキルがあればICTを活用することで場所や時間に関係なく仕事ができます。
テレワークという言葉は遠方という意味がある接頭辞teleと、働くという意味の単語workが合成された造語です。単語の通り、会社に属していながら子育てや介護のために自宅で仕事をしたり、移動しながら作業をしたりと会社から離れた場所で仕事ができます。
また、会社に属していない人でもICTを活用するだけで場所や時間にとらわれずに企業と繫がり、仕事を請け負って取り引きすることが可能です。
日本でもテレワークという労働形態は多くの企業に認知され始めています。特にICTに関して知識のあるIT系の企業の場合はテレワークへの理解が早く、導入企業が多くなっています。また、IT系以外の業種であっても大企業を中心にテレワークを支援する企業は増えています。
一方で、サービス業や医療福祉分野、農林水産系などテレワークには向いていないといわれる業種もあります。
テレワークは通勤時間の削減に貢献します。通勤ラッシュでの疲労はありませんし、節約された時間の分仕事に打ち込めます。短時間で生産性の高い仕事が期待できるでしょう。仕事の時間短縮で、家庭での自由時間も増えます。趣味や家族サービスに時間を費やせるので精神的にも良い効果があります。
また、テレワークを導入する企業は、家庭の事情などで通勤できない有能な人材を逃すことはありません。通勤ができないことから仕事を諦めていた人も、テレワークならば資格や経験を活かして仕事ができます。
企業にとっては人材流出リスクが減る他、オフィスを維持するための費用削減や災害時に対応できる拠点構築などメリットがたくさんあります。
テレワークは、企業が自社の労働生産性を高めるためだけに導入しているわけではありません。実際にテレワークは企業にも労働者にも多くメリットがありますが、企業のテレワーク推進の背中を押しているのは日本政府だといえます。
政府がテレワークに目を付けたのは10年以上前からで、現在までにテレワークに関する様々な政策や目標が掲げられています。総務省や国土交通省など政府機関のサイトではテレワークに関する情報を目にすることができます。
11月をテレワーク月間としてテレワークの普及に努めたり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた働き方改革の一環として働き方改革担当大臣を新設してテレワークを促進したりしています。
働き方改革と耳にする機会も多い現在、実際に東京オリンピックの開会式の日にちに合わせて2017年からはテレワーク・デイという企画が実施されて多くの企業・団体が賛同し、参加しています。
政府はただテレワークを啓蒙するだけではなく、テレワークを導入した企業への助成金の支給なども行っているため、テレワークの導入を考えている企業や団体の後押しとなるでしょう。
これから2020年に向けてテレワークの普及はますます進むでしょう。2020年以降の働き方としてもテレワークはより一般的になることが予想されます。
(画像は写真ACより)
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