業務の基本「ホウ・レン・ソウ」 今や不要って本当?
2018.11.30
業務を円滑に進めていく上では、いわゆる「ホウ・レン・ソウ」が重要と位置づけられています。
「ホウ・レン・ソウ」とは、「報告・連絡・相談」の頭文字をとって分かりやすく表現したものですが、最近では「ホウ・レン・ソウ」が不要と考えている企業もあるようです。
なぜ、「ホウ・レン・ソウ」が不要なのでしょうか。今回はその背景に迫っていきます。
業務における「ホウ・レン・ソウ」のメリットは、上司と部下との間でコミュニケーションが綿密に図られることです。
企業運営を合理的に進めていくためには、企業の方針に従い、社員が同じ方向を向いて業務を遂行することが求められますが、それを実現するために最適な方法が「ホウ・レン・ソウ」と言えます。
そもそも、社員一人一人の考え方は基本的に異なっており、綿密なコミュニケーションをとらなければ、社員全体が同じ方向を向いて業務を進めることが困難となります。
社員全体の考え方を統一するために、十分な意思疎通を図ることを考えれば、「ホウ・レン・ソウ」はなくてはならない考え方と言えるのです。
その一方で、最近では「ホウ・レン・ソウ」が必要ではないという考え方も広がりつつあります。その理由としては、社員の自主性が育ちにくく、長期的にみると社内が活性化しにくくなることがあげられます。
「ホウ・レン・ソウ」は、上司としては部下を管理するのに最適であり、部下としては上司の考え方を確認できるため、ぶれることなく業務を進められます。
しかし、このことは、見方を変えれば「ホウ・レン・ソウ」を徹底することにより、狭い枠内の考え方のみで業務を進めてしまうことにつながりかねず、思い切ったアイデアが生まれにくい状況を作りかねないのです。
そもそも、「ホウ・レン・ソウ」を徹底し、上司の管理が過剰になりすぎると、部下が萎縮しやすくなり、部下が有しているせっかくのアイデアは部下の頭の中で埋もれてしまうことも考えられます。
さらに、部下は管理されすぎると、自分の頭で考えて行動しなくなってしまう懸念もあります。
社内を活性化させていくためには、指示を受けた上で行動する社員よりも、自分で考えて行動し、数々の失敗を乗り越えながらも、幅広い経験を積んだ社員が必要なのではないでしょうか。
そう考えれば、「ホウ・レン・ソウ」は必ずしも徹底しなくても良いと言えそうです。
しかしながら、「ホウ・レン・ソウ」を一切行わずに業務を行うと、社員の方向性が全く異なった状態で仕事が進んでしまうため、仕事が完成しないのではないかという懸念も生じてしまいます。
そのような場合は、「ホウ・レン・ソウ」ではなく、「カク・レン・ボウ」という考え方を取り入れてみましょう。「カク・レン・ボウ」とは、「確認・連絡・報告」の頭文字をとった上で略された言葉です。
「ホウ・レン・ソウ」と「カク・レン・ボウ」の違いは、「相談」の代わりに「確認」が入っていることです。また、順序も一部異なっている点にも注目しましょう。「ホウ・レン・ソウ」の場合は「報告」が一番前にあるのに対し、「カク・レン・ボウ」の場合は、報告が最後にきています。
つまり「カク・レン・ボウ」においては、「確認」が重要視されていることが分かります。
「ホウ・レン・ソウ」は、「上司に相談する」という意味合いが含まれていることから、全体的に受け身的であるのに対し、「カク・レン・ボウ」は、「自分で提案し、上司に確認をとった上で業務を進める」という意味合いが含まれることから、全体的に積極的で自発的な印象となります。
業務を進める部下の立場としても、自分で提案した上で上司に判断を仰ぐのであれば、部下自身としても、自発的に業務を進めていると感じやすく、積極的に業務に取り組みやすいことでしょう。
大切なことは、業務に対して受け身になるのではなく、業務に対して自発的になることです。社内の活性化を目指すためにも、「カク・レン・ボウ」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
(画像はぱくたそより)
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