社会人必見!あなたの敬語、間違っていませんか

2018.11.05
相手に敬意を払うつもりがかえって失礼に

遠くの方に分かりやすく用件を伝えるビジネス文書。相手に敬意を払い書いたつもりなのに、おかしな表現になってしまうことがあります。

そればかりか、かえって相手に失礼になることもあるのです。いくつかの例をあげながら、必要なポイントをご説明します。

間違っているところが分かりますか

以下はビジネスメールの一例です。どこが間違っている表現か
お分かりになりますか。

件名:お伺いの件について、お応えいたします。

●●株式会社
営業部 鈴木様

初めまして、
お世話になっております。
●●社の田中と申します。

頂戴した資料、拝見させていただきました。
ありがとうございます。
大変参考になりました。

来週23日月曜のアポイントメントの件了解いたしました。
よろしくお願い致します。

取り急ぎご連絡まで。

田中

お分かりになりましたか。
実は7か所の間違いがあります。

こんなところが間違っている

「お伺いの件」
お伺い、という表現は聞くの「謙譲語」つまり自分を低くして相手をたてる表現です。

取引先の表現には「ご質問の件」「お問い合わせの件」「お尋ねの件」などが良いでしょう。

「お世話になっております。」
お世話になっております、は取引がある場合や面識がある場合に使う表現です。

初めまして、という相手にはふさわしくありません。ただ、会社として付き合いがあり、新たな部署と取引を行う場合などは別です。

「拝見させていただきました」
一見とても丁寧で相手に気を使った表現にみえるこのフレーズ、ついつい使いたくなる方も多いのではないでしょうか。

「拝見」は「見る」の謙譲語、さらに「いただく」謙譲語なので、二重の謙譲表現になり、かえって先方に失礼になってしまうのです。

「参考になりました」
「参考」は自分の考えが既にあり、あなたからのお話はつけ足しにする、といったニュアンスがあります。この場合先方からの資料を重要視していないという意味になってしまいますので、取引先への表現としては失礼にあたります。

「了解いたしました」
ビジネスライクで明瞭な印象を与える「了解」という表現。同期や後輩にからの報告に返信する場合に使うことも多いのではないでしょうか。

丁寧な語尾ですが、相手を尊敬して使う表現ではありません。取引先だけでなく、上司や年長者にも使わないようにしましょう。
ここでは「かしこまりました」が適切な表現です。

「よろしくお願い致します」
この表現は「よろしくお願いいたします」と使う方もいるのではないでしょうか。

実は「致します」の部分はひらがなと漢字では意味が違ってくるのです。「いたします」は「する」の謙譲表現ですが、「致します」だと動詞の用法になり、良くない結果を引き起こすことになる、という意味になります。

「取り急ぎご連絡まで」
「取り急ぎ」には礼儀や説明を省略して伝えるというニュアンスがあります。取引先には失礼にあたる表現です。

目上の方対しては「まずは、ご連絡申し上げます」「ご連絡のみにて、失礼いたします」などが適切でしょう。

特に謙譲語には注意

日本語には丁寧語、謙譲語、尊敬語の3種類の敬語表現があります。中でも特に注意が必要なのが謙譲語です。

謙譲語は自分や話題になっている人物を低くおとしめることにより相手を高めるための表現です。おられる、お伺いなど一件丁寧にみえる表現を誤解してしまい使うことが多いようです。

「する→いたす」「言う→申す・申し上げる」「会う→お目にかかる」など決まった表現があります。覚えておきましょう。

正しい使い方で信頼度アップ

敬語のまちがった使い方は違和感を覚えるだけでなく、ビジネス文書の信頼性や、社員の教育ができていないと会社のイメージにも響いてくる可能性があります。

しかし、正しく使うことができれば相手を敬い、尊重する姿勢を示すことができます。

まずはここで取り上げて表現から注意を払うようにして、少しずつ敬語の達人を目指していきましょう。

(画像は写真ACより)

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