有給休暇の申請理由は必要?不要?
2017.11.14
有給休暇を取る時には、会社に申請する必要があります。
この時に迷うのが、休む理由ではないでしょうか。「こんな理由だと怒られるかも」などと、会社を休むのに理由をあれこれ考えている人もいるでしょうが、実際のところ、有給休暇を取るために理由は必要ありません。
なぜかと言うと、有給休暇は全労働日の8割以上の出勤かつ6ヶ月勤務という条件を満たしていれば、すべての労働者に与える義務があるためです。
また、労働者が申請してきた有給休暇について、会社側はこれを拒否することはできません。
この申請時、具体的な理由を会社に伝えることは義務づけられていないので、本来は理由を伝える必要はないのです。
有給休暇の基本ルールとしては、条件を満たしたすべての労働者に与える、理由によって拒否してはいけない、事業の正常な運営を妨げる場合には、取得タイミングの変更を促すことができる(「時季変更権」)の3つがあります。
ポイントとなるのは2つ目で、理由によって拒否できないという点です。
拒否できないのであって、理由を聞いてはいけない、というわけではないので、会社が労働者に有給休暇取得の理由を聞くこと自体は違法にはなりません。
また、3つ目の時季変更権を行使するかどうかの判断材料として理由を聞かれることもあるでしょう。
こうした法律違反に当たらない細かいルールについては、会社ごとに違うため、法律違反をしていない限りは従った方がよいでしょう。
会社側で公使できる時季変更権はありますが、単純に忙しいなどの理由で公使することはできず、会社側も希望取りの有給休暇を取得させるための努力をしたかどうかを問われます。
ですから、むやみに時期をずらされたり、別の時期を指定されたりと言った場合には違法である可能性があります。
そもそも、有給休暇をどのように使うかは自由なので、理由を聞かれても答えたくない場合には、当たり障りのない「私用により」という理由を伝えるのがよいでしょう。
有給休暇の取得理由として会社に言いにくいものの1つに、転職活動によるものがあります。
在職中に転職活動を行っている場合、面接を受けに行くために、平日に有給休暇を取ることもあるでしょう。
そんな時、転職活動をしていることを会社に伏せているなら、理由を聞かれた時に答えにくいということはあるでしょう。
もちろん、会社側へ転職活動をしていることを打ち明ける方法もありますが、職場での人間関係に悪影響を与えることもありますので、注意が必要です。
「私用で」と言ってしまえば詳しい理由を打ち明ける必要はありませんし、面接を受けたことを会社に伏せていても、それがバレたところで罰せられることはありません。
ただし、気をつけるべきは有給休暇以外の休暇を取った場合です。
会社によっては「生理休暇」や「バースデー休暇」など、特定の目的を定めた休暇を設けている場合があります。
こうした特定の休暇を取った場合には、本来の目的以外の理由で休暇を取ると、バレた場合に罰せられる可能性があるので注意しましょう。
こうした休暇取得の悪用は、会社との信頼関係を崩すことにもなり、職場での人間関係にも影響を与えます。
取得する時には、本来の目的から逸脱しないように心がけるようにしましょう。
また、いくら法律で定められた権利であっても、自分の休暇にとって職場の人に迷惑をかけることはあります。
そんな時、互いに気持ちよく休暇を取れるためには、周りへの影響を最小限するべく配慮することです。
自分の都合だけで有給休暇を好き勝手に取っていると、いざと言う時に助けてもらえなかったり、職場環境が悪化したりと、あとあと困ったことになります。
職場への気配りを忘れず、いつでも気持ちよく有給休暇を使える環境作りを意識しましょう。
(画像はPixabayより)
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