朝の朝礼と掃除は業務範囲に含まれるの?給料は貰える?

2017.11.10
労働時間の定義とは?

労働者が企業に命じられ業務を行う「指揮命令下」である状態を「労働時間」と判断するようです。

労働時間というのは労働者を拘束している時間を指しますが、昼休憩などの休憩時間は給料に反映されません。また企業への通勤時間や出張先へ移動する時間なども労働時間とはみなされません。

企業に勤める方は就業時間中に仕事をし、その分の対価として給料を受け取っているかと思いますが、企業によっては仕事の前に朝礼を、仕事終わりに掃除をすることもあります。

では就業時間以外の朝礼や掃除の場合は、残業代が貰えるのでしょうか?

命令されたかどうか?

指示されたことは業務に値しますので、朝礼や掃除を義務付けられているなら「労働」となります。

ここで注意したいのが、“仕事に関係があるのか”ということと、“勤務時間外”の朝礼・掃除の場合です。なぜならば、時間外に業務を行うか否かで、労働時間の定義に当てはまるかどうかが決まってくるためです。

仕事に関連性を持たせる

例えば朝礼の場合、業務内容の確認や労働者の健康状態のチェックなどを行っている場合は“仕事をスムーズに進めるための手段”として立派な業務内容の一環であるといえます。

掃除の場合も、職場を清潔・安全に保つためであり、資料などの陳列により“仕事をしやすくするため“だとすればこれも業務となります。

給与の有無

朝礼や掃除が業務に含まれる内容であり、自由参加でなく強制参加としている場合は、給与が発生しなければなりません。

労働時間内であれば問題ありませんが、労働時間外であった場合、朝礼・掃除をした時間分の賃金を企業は支払う義務があります。もし支払わない場合は、労働基準法第37条1項の違反となるのです。

強制参加は時間外労働となり、自由参加でも仕事を進めるために必要なのであれば“自由参加”とはいえません。朝礼・掃除の他にも、仕事をする上で必要な制服着用のための着替え時間や、昼休憩中の電話対応なども、強制であれば時間外労働に相当します。

時間外労働

国で労働時間の制限があり、それが1日8時間、1週間40時間とされています。この法定労働時間を超えると「時間外労働」となります。時間外労働をさせるには36協定を結び、時間外手当を支払う義務があります。

労働時間外の朝礼などに参加しているにも関わらず給与を貰っていない労働者は、賃金を請求することができます。

賃金を請求するためには

まずは「仕事に必要な業務であり、それを強制させられていた事実」を証明しなければなりません。

その上で、企業に直接請求し、応じなければ労働基準監督署へ申告しましょう。話し合いで解決しない場合は弁護士などに相談し、裁判を起こすこともひとつの手です。

(画像は写真ACより)

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長田兵子
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