隠れて行う副業!会社に禁止する権利はない?

2017.11.02
副業禁止は違法?

副業について、明確な定義はありませんが、大まかに言うと、他の会社の役員になること、他の会社と雇用契約を結ぶこと、営利を目的として業務を行うことがこれにあたります。

本業だけでは給与が少なく、生活が苦しい。貯金をもっと増やしたい。好きなことに使えるお金がほしい、など、様々な理由で、本業の他に副業をしている人は少なくないでしょう。

しかし、ほとんどの人が堂々とは行わず、会社に隠れてこっそり行っているかと思います。

と言うのも、副業を禁止している会社が一定数あるからですね。しかし、実のところ、会社には副業を禁止する権利はありません。それどころか、副業禁止と言うこと自体が法律違反になる可能性があるのです。

「副業禁止」が法律違反である理由

そもそも、会社側は就業時間以外で、社員の自由を奪うことはできません。

副業というのは就業前や退社後、休日など、就業時間以外で行うものです。つまり、就業時間外で社員が何をしていようと、社員の自由であって、会社が口出しすることはできないのです。

さらに、2社以外の会社と雇用関係を結んではいけない、ということも法律では定められていません。

そうしたことを無視して会社が一方的にクビにすると、「会社側の解雇権の乱用」や「職業選択の自由」に反するということで、違法と判断される可能性が高いと言えます。

副業をしてはいけない条件

ただし、誰でも自由に副業できるわけではありません。法律で定められた条件下の人は、正当な理由で副業禁止となりますから、条件を知っておくことが大切です。

公務員(国家公務員法)や法律上の支配人にあたる人(支店長など)は、正式に副業禁止とされています。特に支配人などの場合には、職務専念義務というものがあるため、副業が許されていないのです。

ただし、公務員でも副業と見なされない株やFX、投資と見なされる不動産投資、農業(許可が必要)は例外的に認められていますし、法律上の支配人にあたる人でも、会社の許可を得ることで副業することは可能です。

最後に、当然ながら本業に支障が出る場合には副業禁止となります。副業によって遅刻や欠勤が増えたり、本業の競合にあたる会社で働いたり、違法な仕事やアダルト関連の仕事などによって、本業としている会社の品位を落としたりする場合は、副業を認められませんから注意が必要です。

罰せられることも

会社側が副業を禁止する権利はないとお伝えしましたが、もちろん就業規則で禁止されている場合には副業することはできません。

禁止されていながらも副業をして会社にバレてしまった場合、減給や解雇となる可能性もありますから、注意が必要です。

特に、競合の取締役に就任したり、会社の同業を経営したりするなど、本業で所属している会社に大きな影響を与えるケースでは、解雇されるだけでなく、裁判にまで発展した事例もあります。

副業はあくまで空いた時間で行うものですから、本業に支障が出ないよう、細心の注意を払って行いましょう。

就業規則をチェックする

意外と見落とされがちなのが、就業規則のチェックです。多くの人は、副業はやってはいけないものと思い込んでいますが、まずは就業規則を確認して、自分の立場や、許可が必要かどうかを判断しましょう。

もちろん、許可が必要な場合にはきちんと申請します。必ずしも副業禁止ではありませんから、ルールを知って上手く副業を活用しましょう。

最近では副業を認める会社も増えてきていますから、会社とトラブルにならないよう、事前の下準備が大切です。副業が原因で解雇となってしまったら元も子もありませんから、就業規則はきちんとチェックしておくようにしましょう。

(画像はPixabayより)

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橋本宏子
橋本宏子