相次ぐシステム不具合、滞るマイナンバーカード交付業務

2016.03.07
またも不具合、問われるJ-LISの管理体制

平成28年3月4日午前、全国の自治体でマイナンバーカードを交付するシステムが一時つながりにくくなるという事態が発生した。このシステムの不具合は、初めてのものではなく、今年1月中旬以降に、地方公共団体情報システム機構(Japan Agency for Local Authority Information Systems、以下略称である「J-LIS」と表記)のカード管理システムが一時不安定な状況となり、多数の市区町村でマイナンバーカード交付業務が行えないという事案が複数回発生しており、J-LISが原因を調べている。

マイナンバーカードは、希望者が本人がマイナンバー制度を運営するJ-LISに申請することで、無料で交付を受けられる顔写真が入ったICカードであり、自治体の専用端末から機構の管理システムを通じて交付される。

今回の不具合は、4日午前10時すぎから一時、このシステムとの接続障害により、全国の自治体から30件ほどの問い合わせがJ-LISにあったほか、一部自治体では、およそ30人にカードを交付できないという事態を引き起こした。

出鼻から躓くマイナンバーカード

J-LISによれば、システムのサーバーで不具合があり、処理が数十分間滞ったのが原因であるという。先月22日にも、200以上の自治体で一時カードが交付できなくなっており、機構はシステムの監視を強化するとともに、不具合を引き起こした原因の詳細を調査中であるという。

また、1月21日に発送した一部のカードでは、ICチップのデータに不具合が見つかっており、実に2万6,000枚のカードに同様の可能性があるという。J-LISは、エラーが出た場合には、再発行するなどの対応をとっているが、原因については「製造段階や輸送段階で不具合が起きたとみられる」とのことで、特定できていない。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

平成28年3月4日 高市総務大臣閣議後記者会見の概要
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000470.html

J-LIS 報道資料
https://www.j-lis.go.jp/about/announce/press/press20160222.html

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高野勤一
高野勤一