アルバイトにも残業を頼むことは出来るの?残業を頼む際に参考にしておくべき法律と必要書類・規則!

2015.10.28
残業は拒否できない?

よく、アルバイトなのに残業を強制させられるという話を聞くことがある。これは法律的にはアウトなのだろうか、それともセーフなのだろうか?答えはセーフ。実は、会社側の条件さえ整っていれば労働者は、原則残業を拒否することができないことになっているのだ。

ではその条件とは何なのだろう。常に10人以上の労働者が勤務している事業所には、就業規則の作成が義務づけられている。ちなみに労働者には、アルバイトという勤務形態も含まれており、労働者である以上は労働関係法が適用される。

この就業規則に、「業務上やむを得ない事由がある場合、時間外・休日労働を命じることがある」という記載があれば、たとえアルバイトであっても残業を拒否することはできなくなるのである。また、採用後に取り交わす労働契約書には、残業の有無を明示しなければならないということが、労働基準法によって定められている。

もしくは、会社が36協定を取り交わしている場合、使用者は労働者に残業を強制できる権利を持っている。それは、36協定の中に「使用者が労働組合などとの間で協定を交わした場合、労働者に労働時間の延長や休日出勤を命じることができる」という記載があるからなのだ。

しかし、使用者は無条件に残業を要請することはできない。アルバイトが残業を拒否してもよいケースを紹介しよう。

残業が拒否できる条件とは

アルバイトと一口に言っても、その人が置かれる環境は様々だ。アルバイトにしか勤め先が見つからない人もいれば、学業や正業、育児、家事との両立をしなければならない時間的制約のある人、扶養控除を超えられない金銭的制約のある人などが考えられる。

そもそも管理者がアルバイトに残業を依頼する際には、残業を労働者に命じる必要がある場合に限定される。つまり、他の人が残っているから君も残って欲しいなどという理由で残業を命じることはできない。

残業が成立する場合であっても、18歳未満の時間外労働は労働基準法で禁じられている。18歳未満であるかどうかは、採用前に必要書類を請求して事前に確認をとる必要がある。また、妊婦や育児、介護という理由や「本業である学業に支障をきたす」という理由でなら、本人の希望で時間外労働を拒否する権利がある。

さらに、法律上の問題はなくとも、予め”扶養控除内での勤務”を希望されている人も残業を拒否することができる場合がある。年間の収入が130万円を超えると、税金や社会保険料のために手取りが減ってしまう可能性があるからだ。

残業を法律で命じることができるとしても、本人の意志に反する労働は強制労働になる可能性もあるので、頼み方には十分気をつけておきたい。

割増し賃金の計算方法

残業時間はすべて割増し賃金が発生すると思い込んでいる人はいないだろうか。割増し賃金が発生するのは、法定時間外労働を行った時間にのみ適用される。変形労働時間制やフレックスタイム制、裁量労働制でない会社(1日8時間、週40時間労働制)の場合、法定時間外労働は、1日8時間以上もしくは1日40時間以上働いた分の時間に該当する。

この時間に時給を1.25倍にした金額を掛け合わせた金額が、「残業代」ということになるのだ。法内残業(法定外時間以外の残業時間)は、時給どおりに支給されるのだ。また、労働時間の計算は、原則1分単位で行われなければいけない。たとえば、労働時間を15分(0.25時間)ごとに切り捨てたりして、給与計算をすることは認められていないのだ。

労働者も使用者も、残業が発生してしまった際には気持ちよく働けるような環境作りを心がけよう。

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高野勤一
高野勤一