就業規則と社内ルールはどう違う?
2019.03.29
「自由な働き方」がもてはやされる今、社内のルールを作るというのは、時代遅れではないかと感じるかもしれません。
しかし、組織を統制するためにはやはり、最低限のルールは必要です。
クリエイティブな発想を阻害せず、組織を円滑に動かせるような社内ルールとはどのようなものなのか解説していきます。
社内ルールとは、業務マニュアルのように明文化されているものもあれば、暗黙のルールも存在します。
例えば、社内ルールとは下記のようなものです。
・派手な服装で出社してはいけない
・新入社員は一番に出社してオフィスの清掃を行う
・会議の資料は手書きで作成する
決まりであって契約ではないということが特徴です。
一方、就業規則は、従業員が就業城まもるべき決まりを労働基準法に基づいて作られたもの。
例えば、下記のようなものです。
・出社や退社時間
・休憩のタイミングや時間
・給与の額や支払い期日
・休暇に関する決まり
就業規則は作成が必須であると、労働基準法で定められているものです。
また、これは会社と従業員との契約なので、双方が必ず守らなければならない決まりです。
社内ルールは契約ではないので強制力はありません。しかし、ルールは守るために作られるものなので、ルールを守らない従業員は実質的には会社に居られなくなるでしょう。
ルールというとがんじがらめになるイメージがありますが、メリットも多くあります。
・ルールがあることでやる気が出やすくなる
自由度が高いということは、裏を返せばすべてを自分で管理して仕事をするということ。
得意な人にとっては良いですが、多くの従業員にとっては何をどう行えば良いか分からないという状況にもなりかねません。
週に一度は「ノー残業デー」を作って早く帰る、月に1度は「自己啓発」に使える時間を取るなどのルールを作ることで仕事にメリハリが生まれます。
・仕事をスムーズに進めることができる
チームで仕事をしていくのに、個々の従業員が自分の好きなやり方で仕事を進めていくのは効率がよくありません。
また、一人一人独自の方法で仕事を進めていくと、その従業員が体調を崩したときに、他の従業員が代わりに仕事を行うことが難しくなります。
全員が業務マニュアルに沿って仕事を進めていれば、誰でも同じようにその仕事をこなすことができるようになります。
・会社の方針を浸透させることができる
社内ルールを作ることは、会社の基本方針を浸透させるよい手段でもあります。
トラブルが起こったときにどのように対応するのか、どのような気持ちで顧客にサービスを行うかなど、会社の方針を従業員に伝えることができます。
社内ルールを作ることには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
・細かすぎるルールを設定すると想像力を活かせなくなる
細かすぎる社内ルールは、従業員の考えや行動を制限しすぎる結果になります。
仕事をより円滑に進めるためのアイデアを出しても、「社内ルール」を理由に取り入れてもらえないと、従業員のやる気はどんどん下がっていくでしょう。
・従業員がいつも指示待ちになる
社内ルールだけに従って仕事を進めると、指示がないと仕事をできない従業員が育ちます。
ルールの中にも「自分で考える」要素を持たせることで、ルールに添いながらも自発的に動ける従業員を育てることができます。
例えば、ルールの背景にある「会社の方針」を常に頭に置いておくことで、決まりきった対応だけでなく、「方針に沿った」対応ができるはずです。
社内ルールと就業規則の違いや社内ルールのメリット・デメリットを紹介しました。
チームで仕事をしていくためにルールは必要ですが、ルールの根底にある「会社の方針や精神」を忘れないように指導していくこと大切です。
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