専門業務型裁量労働制って何?

2017.05.26
専門業務型裁量労働制とは何か

専門業務型裁量労働制は悪用することで会社側が圧倒的に有利になってしまう可能性があるので条件が非常に厳しく決められている制度のことです。

法的に解釈すると実際の労働時間に関わらずにある程度の成果を上げた人なら一定の労働時間を働いたという扱いをすることができる制度となります。

この専門業務型裁量労働制はみなし労働時間制の一つに該当しており、時間に縛られずに成果を出し続けることで好きな時間に好きなだけ働くことができる制度となっております。しかし、成果が上がらなくて残業をし続けることになっても残業代は出ないので要注意です。

究極的に言ってしまえば、やることをきっちりやっている人間、成果をしっかりと出している人間なら自由に働くことができる画期的な仕事のスタイルとなっており、仕事に対する新たな形として取り上げられるものとなっています。

注意点と問題点について

注意点は残業代が一切でないということでしょう。成果を出していないのなら当然と思ってしまうかもしれませんが、会社側が毎日社員を仕事づけにしてしまうほどの業務を与えていたとしても、この制度を導入していると言いきってしまっている会社は残業代を出さない可能性があります。

また、この専門業務型裁量労働制を導入することができる仕事は限られており、商品や技術の研究開発業や、ソフトウェア開発、またはデザイナーの仕事やテレビ制作指揮の仕事についている方々が該当します。他には弁護士や税理士のような専門分野に特化している職業のみが対象なのです。

これらの仕事というのは成果が出ない時はいくらやっても成果が出ないものですが、コツをつかんでしまえば今まで10時間程度かかっていたものが1時間程度で終わってしまうことだってあるでしょう。

この裁量労働とは柔軟な働き方を専門職の人たちに導入するために考えられた働き方であり、会社側は具体的な労働時間の指示をすることができなくなるものなのです。

他のデメリットには、会社運営側が勘違いする要素として休日の捉え方を理解していない可能性があるというものもあります。基本的に裁量労働制の中には深夜勤務や休日勤務が含まれていないので、特殊な業務としてそれらの仕事を従事させた場合にはそれ相応の賃金が必要なのです。

最近のブラック企業は、この専門業務型裁量労働制の解釈を完全に悪用して残業代を払わない素晴らしい制度として捉えてサービス残業をひたすら強いる会社もあるので注意してください。

このような悪用を避けるためにも、専門業務型裁量労働制を導入している会社は会社側が一方的に規則を決めるのではなく、労働組合か労働者の過半数を代表する仕様者との間で労使協定を結ぶ必要があるのです。

(写真は写真ACより)

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新免武三
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