退職願と退職届の扱いは同じ?

2017.05.25
退職に関する書類の種類

社員が会社を辞める時には勤めている先に、退職の意思を示す必要があります。一般的には書類での提出をすることになるのがほとんどです。会社で定めている書式で提出する場合も少なくありません。

しかし、退職に関する書類は「退職届」「退職願」と表記の違うものが存在します。同じものとして捉える人もいる様ですが、厳密にいえば違いが存在するのをご存知でしょうか。

退職方法の違い

退職については、法律の面から見ると「任意退職」「合意退職」「解雇」という3種類の方法が存在します。

「任意退職」とは自己都合退職とも呼ばれ、労働者側から会社への一方的な退職の意思表示をする退職の方法です。「合意退職」とは労働者と会社が話し合い、退職時期や理由について合意した上で退職をする方法です。

「解雇」は会社からの何らかの理由による一方的な雇用契約の終了の意思表示による退職のことを指します。(何らかの理由とは犯罪等の不祥事や仕事での不正行為など労働者側の責任による場合が少なくありません。

このうちの「任意退職」の場合に提出されるのが「退職届」で「合意退職」の場合に提出されるものが「退職願」となります。ちなみに解雇の場合には会社からの意思表示になるのでこちらから届け出を出す必要はありません。

それぞれの扱いの違い

「退職届」はすてに決定した自分の退職への意思を届け出るためのものです。ですので、基本的に撤回はできません。対して、「退職願」については話し合いの上決定したことを提出するため、気持ちが変わったとして撤回することが可能です。

ですので両社を比較した場合には「退職届」として提出された方が変更のない決定事項としての扱いになります。

「退職願」の場合には、労働者の退職への意思はそれまでの話し合いと合意の内容が大きく影響してくるとは思いますが、撤回される可能性がゼロではないと考えておいた方がよいでしょう。

また、民法での規定では退職の意思を示してからの2週間を経過することで雇用契約が終了するとなっています。ですから退職届の提出は少なくとも退職する2週間前にはされる必要があります。

会社を辞める際に提出する書類にも厳密にいうとこの様な違いが存在するのです。退職はその人の人生を左右する大切なことです。

労使間の話し合いと合意で退職を決定する場合には、双方に悔いが残らないようしっかりと話し合いや法律や社内規則に沿った書類の提出をして、円満に退職をしたいですね。

(画像は写真ACより)

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石原健児
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