遅刻や欠勤した場合には、賃金の支払いはどうなるの?

2017.04.24
ノーワークノーペイの原則

遅刻や欠勤をする可能性は少なからずあります。このような場合に賃金カットされるのかどうかは労働者にとって重要なことですが、賃金は労働の対価として使用者から支払われるものであることを忘れてはいけません。

ノーワークノーペイの原則により、使用者は、労働者が労働を提供しない限り、対価としての賃金を支払う義務を負うことはありません。

従業員に原因がない遅刻や欠勤

遅刻や欠勤は、従業員に何らかの原因があって生ずるものですので、ノーワークノーペイの原則により、賃金を支払わなくてもよいですが、自然災害などの従業員に原因がない遅刻や欠勤の場合はどうなるのでしょうか。

自然災害となると未然に防ぐこともできない場合もありますが、労働を提供していないことに変わりはありません。したがって、使用者に賃金を支払う義務は発生しません。

支払われない範囲

欠勤はさておき遅刻は、労働を提供していない時間帯は一部に過ぎません。労働を提供した時間分の賃金を受け取る権利はあります。このとき、遅刻した時間を端数処理して支給してはいけません。

分単位で労働時間は計算しなければならないので、労働を提供していない時間帯の分だけ賃金から控除し、労働を提供した時間帯の分は全額支給しなければなりません。

制裁としての賃金カット

遅刻や欠勤は賃金が支給されなくなるだけではありません。就業規則に遅刻や欠勤について罰則規定がある場合は減給処分を受けることがあります。ただし、どのような罰則を与えてよいというわけではありません。

労働基準法で減給は、平均賃金1日分の半分までと決められていますので、大幅に給与が減ることはありませんが、減給処分はその後の士気にも影響します。処分を受けなくていいように自覚を持って行動しましょう。

精勤手当などにも影響するの?

企業によっては、基本給に加えて精勤手当などを支給しているところもあります。支給条件は就業規則で決まっていますが、精勤手当は、無遅刻無欠勤が支給条件となっているはずなので、遅刻や欠勤した場合は支給されないでしょう。

また、精勤手当は通常の賃金に加えて支給されるものであるため、条件を満たさなかったとして支給しなくても賃金カットには該当しません。

まとめ

ノーワークノーペイの原則があるため遅刻や欠勤の場合に賃金は支給されません。自然災害であっても支給されないのは少し厳しい気もしますが、賃金が支給されないから遅刻や欠勤をすることなく勤務するのではなく、遅刻や欠勤は怠惰の表れです。責任を持って業務に取り組むようにしましょう。

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周防大和
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