チームマネジメントの効果を高める「共同体感覚」とは?

2024.04.15

ビジネスにおいて目標を達成するためには、チームで働く人たちの全員が目標に向けて業務を進めて成果を出すことが重要となります。しかし、一人ひとりのメンバーはさまざまな個性を持っているため、人間関係で悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。

チーム内での活動を円滑に進めたいなら、メンバー全体で「共同体感覚」を得られる環境を作ることが重要です。

この記事では、共同体感覚とは何か、共同体感覚を得るためにはどのように取り組めば良いか、という点について説明します。

共同体感覚とは?

共同体感覚とは、ある共同体に所属しているときに他のメンバーとの間につながりを実感できる感覚のことです。

共同体感覚が持てるとメンバー同士の心理的な距離が縮まりやすく、共同体の中に居場所があるような感覚となります。

共同体感覚はアドラー心理学の思想のひとつです。共同体感覚を体感し、その感覚を深めていくことによって人間関係のゴールにたどり着くと提唱しています。

共同体の例としては、家庭や職場のほか、ワークショップでの活動、ボランティア活動をする団体、地域を主体にして活動する団体などがあげられます。

そのような共同体においては、メンバー同士が共感し合ったり、あるいは信頼感で結びつきが強まったり、各メンバーが共同体に貢献して満足感を得たりすることがあります。

上記で説明した「共感」「信頼感」「満足感」などの感覚は、いずれも「共同体感覚」となります。

共同体感覚が得られることによるメリット

共同体感覚が得られることによるメリットは、共同体が掲げる目標を達成しやすいことです。

共同体感覚は、共同体に所属するメンバーにとって気持ちが盛り上がる感覚といえます。そのため、共同体が掲げる目標に対してそれぞれのメンバーが自主的に行動しやすくなります。

各メンバーがお互いに対して共感したり、信頼感を持ったりすれば、モチベーションの高い状態で行動できるため、良い結果につながります。それによってメンバーの満足度が高まり、いわば共同体感覚に満ちあふれた状態になっていきます。

言い換えれば、共同体において良い結果を出すためには、共同体感覚が重要といえます。

共同体感覚を得る方法は?

共同体感覚を得る方法としては、下記があげられます。

・目標や価値観を明確にして、メンバーの方向性を定める
・相手に関心を持ち、コミュニケーションを取る
・協力し合う精神を持つ

目標や価値観を明確にして、メンバーの方向性を定める

共同体感覚を得るためには、目標を立てたり、または価値観を一致させたりするなどして、メンバーの方向性を定めることが大切です。

ビジネスにおいて会社単位、あるいは部署単位で活動している場合は、目標を定めることによって従業員の方向性が定まり、目標の達成に向けて日々業務に取り組めます。

また、家庭も共同体の一種といえます。家庭などでは目標を立てて行動することは少ないですが、お互いの価値観を一致させることによって家庭内での方向性が定まりやすく、毎日の生活を円滑に進めやすくなります。

相手に関心を持ち、コミュニケーションを取る

共同体感覚を深めるためには、相手に関心を持つことがポイントです。それを実現させるにはコミュニケーションを取ることが重要となります。

共同体において目標の達成を目指す場合、メンバー同士で目標を達成させるためにはどうすれば良いかを話し合う必要があります。しかし、共同体の中には、気が合わない人同士がいる場合もあるでしょう。

とはいえ、ビジネスに取り組む共同体の中で目標を持っている場合、気が合う合わない以前に目標の達成に向けて行動しなければなりません。ビジネスと割り切り、お互いにコミュニケーションを取ることで、相手の内面に対して気づきが得られることもあるでしょう。

これを機に、相手に対して関心を持ちながらコミュニケーションを取れれば、徐々に共同体感覚が得られやすくなります。

協力し合う精神を持つ

共同体感覚を育てるうえで大切なこととして「協力し合う精神を持つ」ことがあげられます。

大きな仕事を実現するためには、多くのメンバーの協力が必要です。実現させなければならない仕事がある場合、チームのリーダーがメンバーに対して声をかけ、ともに仕事を進めていきます。

仕事が順調に進み、無事に終了すると、メンバーの間で達成感や満足感を持つことができます。この感覚こそ、まさに「共同体感覚」といえるでしょう。メンバー全員で目標に向かって作業に取り組むことは、共同体感覚を持つという面から見ても大切だといえます。

まとめ

共同体感覚とは、共同体に所属しているときにつながりや一体感が得られるような感覚です。

人間は家族や会社、さまざまな集まりや団体など、大なり小なり何らかの共同体に所属して生きています。人間は、まわりの人たちとともに行動して共感し合ったときに幸福感が得られる性質があります。

共同体感覚を得るには、共同体の中で何らかの目標を持ったり、あるいは価値観を一致させたりすることが効果的です。共同体の中で行動をともにすることにより、コミュニケーションを取りながら協力し合って活動できます。

それらの活動によって目標を達成できたとき、共同体感覚が高まります。チームでの活動を有意義なものにするためには、共同体感覚を意識しながら活動をすることが重要といえるでしょう。

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海野空
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