就業規則の変更の手続きはどうやるの?必要な書類と必要な手続き

2015.10.29
就業規則の変更に必要な手続き

就業規則は、労働時間や賃金など従業員にとって大切なルールが記されたものだ。常に10人以上の労働者のいる職場にh、必ず就業規則を作らなくてはならないということが、労働基準法で定められている。では、これらの変更には、どのような手続きが必要になるのだろうか。

就業規則の変更には、まずその変更案につい代表取締役社長や取締役会で決裁を受ける。その後に、労働者の過半数が所属する労働組合から「就業規則意見書」をもらうことになる。この「意見書」と変更した「就業規則」、「就業規則変更届」を労働基準監督署に届出る。変更を行った後には、従業員のよく見える場所に変更の旨を掲示することが義務づけられている。

ただし、就業規則の変更が労働者にとって不利益をもたらすものは、変更が認められないか、変更をする際にも従業員に個別の同意を行うことが望ましい。この”不利益変更”については、後ほど説明しよう。

就業規則の見直し理由

就業規則は、法改正に対応をする必要がある。法改正を見逃して、後々トラブルになることはできれば避けたい。他にも、就業規則が変更される理由には次のようなものがあるとされている。
・就業規則に書かれた労働条件と実際の働き方にギャップがある
・非正規社員が増え、正社員用の就業規則だけでは不十分になった
・会社の合併・吸収などで経営状況に大きな変化があった
・労働基準監督署から是正勧告や指導を受けた
・従業員や会社側から、労働条件の変更が提案された
・労使紛争が生じたことを踏まえて、その問題をカバーできる就業規則が必要になった

こんな変更はできない可能性が!

先ほど紹介したように、労働者にとって不利益をもたらすような就業規則の変更は慎重に行う必要がある。法律では、この”不利益変更”が認められるか否かは、「合理性の有無」で決まるとされている。要するに、会社側には変更の必要性が極めて高く、従業員の不利益制はこれに比較して小さいものであれば、合理性があると認められる可能性が高いのだ。

具体的に合理性を判断する材料をまとめるとこのようになる。
1.不利益変更によってもたらす従業員の不利益の程度
2.会社側の変更の必要性
3.変更後の就業規則の内容の相当性
4.代替措置やその他の労働条件の改善状況
5.労働組合などとの交渉の経緯や、ほかの労働組合、従業員の対応
6.不利益変更内容に関する同業他社の状況

例えば、不利益変更の代表例な例が賃金カットである。上の合理性を判断する要素の2に関して、もし会社が経営破綻に陥るような深刻な状態の場合、不利益変更が認められることがある。逆にある一部の社員のみに賃金カットを適用するということは、合理性がないと判断される可能性が高くなるのだ。

記事をシェアする

高野勤一
高野勤一