HSPの人が快適に仕事をするためにできる4つのこと

2021.03.24

HSP(=High Sensitive Person)は、心がとても繊細な人のことをいいます。

HSPは些細な刺激や変化を敏感に受け止めたり、他人の感情に共感しすぎて自分も落ち込んでしまったりするという特性を持っています。ときには日常生活や仕事に支障が出てしまうこともあり、HSPの人はどこか生きづらさを感じています。

しかし、HSPの人でも業務に与える影響を抑えられるように改善したり、周りの人から協力を得たりすることで、快適に仕事をすることは可能なのです。

今回は、HSPの人が業務に与える影響や、仕事を快適に行うために本人や周囲ができることについてご紹介いたします。

HSPが業務に与える影響

・人の顔色を気にしすぎる
他人の表情や行動1つで、怒っているのではないか、自分のことを疎ましく思っているのではないかと不安になってしまいます。常に他人の顔色を気にしてしまうので、自分の意見を言えなかったり、不本意なのに賛同してしまったりすることもあります。

・仕事が遅い
1つのことを思慮深く考え込んでしまうので、仕事がスムーズに進まないことがあります。数字の並びに意味を見いだそうとしたり、微妙な色合いやデザインを表現できるまで繰り返したりするので、仕事が遅いと思われてしまいます。

・誰かが怒られていると恐怖を感じて仕事が進まない
HSPの人は他人の感情を、自分のことのように感じてしまうときがあります。そのため、誰かが怒られているのを見ると、自分が怒られているかのように感じてしまい、落ち込んだり、恐怖を感じたりして、仕事が手につかないということもあるようです。

・期待されるとミスを連発する
HSPの人は自分に誠実でありたいと思っています。しかし、周囲から期待されたり、注目されたりすると、ミスを連発してしまうこともあるようです。それは、周囲からの期待に応えようとするあまり、本当は自分がどうしたいのかわからなくなってしまうことが原因といわれています。

・オフィス内の音や光にいちいち反応してしまう
オフィス内の電話やコピー機の音、ライトの光などに敏感に反応してしまいます。忙しいときの雑然としたオフィスが気になり、仕事に集中できなくなることもあるようです。

HSPの人が快適に仕事をするためにできる4つのこと

HSPであっても、生活のためには仕事をしなければいけません。そこで仕事に与える影響を改善するために、本人が持つべき心構えについて下記に挙げていきます。

・客観的に自分を見てみる
HSPの人は他人が気にならないような些細なことでも、深く考え込んでしまう特性を持っています。いちど、客観的に自分を見てみましょう。例えるなら、ドラマや映画の中に自分が出演しているところを想像してみましょう。視聴者として自分を見たときに「考えすぎ」と判断できるかもしれません。

・環境を整え確保する
自分がHSPであることを周囲に伝えて、少しでも快適に仕事ができる環境を確保しましょう。HSPではない人は、何が不快に感じるかに気づかないことが多いです。強い光が当たらない位置や出入り口から離れた位置のデスクを使えるように伝えてみましょう。

・他人と適度に距離をとる
HSPの人は他人と自分の感情を混同しがちです。そこで、他人との距離を適度に保ちましょう。人とのつきあいを深くしすぎないことで、1人になれる時間をいつでも確保することができ、他人の感情にふりまわされることもありません。

・ストレスを発散できる方法をいくつか持っておく
HSPの人は、他の人に比べてストレスが溜まりやすい傾向にあります。そこで、しっかりとオンオフの切り替えを行い、ストレスを発散できる方法をいくつか持っておきましょう。仕事で疲れ、行き詰まりを感じたら、仕事以外に没頭できる趣味を持つこともよいでしょう。

HSPの周りの人がすべき心遣い

職場にHSPの人がいたり、HSPであることを相談されたときには、周囲の人も配慮してあげましょう。例えば以下のような心遣いをするだけでも、HSPの人が仕事に影響を与えないための解決策になるかもしれません。

・HSPを理解する
まずはHSPについて理解しましょう。どんなことが不快と感じるのか、他の人とはここが違うということを知ることができます。セルフチェックを行うと、意外に共感できる部分もあるかもしれません。大事なのはHSPの人に「普通はこうする」ということを強要しないことです。

・適切なポジションに就かせる
HSPの人の特性を活かせる業務やポジションに就けるよう、配慮してあげましょう。大人数の中での作業やノルマを課す仕事は、HSPの人には向いていません。共感力や思慮深さ、正確さを活かせる作業ができるように配慮してあげましょう。

・そっと見守りサポートする
HSPと伝えられたからといって、過剰に気を配って接することは逆効果になることもあります。HSPの人が自ら努力している姿をそっと見守り、必要であればサポートするという自然さが大事です。

まとめ

HSPは本人や周囲の努力で、全てを改善することは難しいものです。そこで、HSPである自分を否定するのではなく、HSPとうまくつきあい「特性」と捉えることが大切です。

そのために、どうすれば快適に仕事ができるかを考えましょう。これは、HSPの人だけに関わらず、仕事をする上で全ての人が試行錯誤しつつ行っていることでもあります。

また、自分はHSPではなくても、周囲の人からHSPであることを伝えられた場合、仕事に影響が出ないように配慮し、快適な職場作りを心がけましょう。

(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一