サテライトオフィスの導入で理想のライフワークバランスを!

2020.08.06

2016年に「働き方改革」が宣言されて以来、日本の企業体質はどんどん変化を遂げています。中でも「ダイバーシティの推進」にあるように、働き方に対しての多様性が求められています。企業は国を挙げての「働き方改革」に対応しようと、独自の策を実践しています。

その中で注目されているのが、「サテライトオフィス」です。企業の本社とは別に設置された小規模なオフィスのことを指し、3種類に分類されます。「サテライトオフィス」を設置することは、社員がより働きやすい環境で、多様性にあふれた働き方を実現できる試みです。

今回は「サテライトオフィス」のご紹介と、導入することのメリット、デメリットをご紹介いたします。

サテライトオフィスとは?

サテライトオフィスとは、本社や団体の本部から離れた場所に設置されたオフィスのことを言います。本拠地を中心として見たときに、惑星の周りを回る衛星(=サテライト)のように位置づけられることから、名付けられました。サテライトオフィスと支社の違いは、支社に比べてサテライトオフィスのほうが、より小規模であることです。

サテライトオフィスは「都市型」「郊外型」「地方型」の3つに分類されます。

「都市型」
本拠地とは別の都市部に設置されるタイプです。都市部は、人、他企業の本社、大規模な行政機関が集まり、郊外にある企業はアクセスしにくい傾向にありますが、都市型サテライトオフィスを設置することで、販売や営業部門はアクセスが容易になります。

「郊外型」
郊外のベッドタウンに設置されるタイプです。社員の通勤時間を減らすことができます。通勤時間が短縮されることで、育児や介護がしやすくなり、自分のスキルアップのための時間も確保することができます。

「地方型」
人口の少ない地方に設置されるタイプです。地方自治体が誘致を行う場合や地方創生の一環、また都会のストレスから解放されて、働くことができます。

サテライトオフィスのメリットは

・通勤時間の削減とストレスからの解放
都市部にしかオフィスが無い場合、郊外や地方に住んでいる社員は、長時間の通勤や満員電車にストレスを感じ、心理的な負担になります。「郊外型」「地方型」のサテライトオフィスを設置することにより、通勤に対するストレスや、時間の制約から解放され、家族との時間を過ごすことができ、また自分のスキルアップのための時間に充てることができます。

「都市型」のサテライトオフィスでも、営業先からわざわざ本社に帰社しなくて済むというメリットがあります。これも同様に、移動時間の短縮になり、時間を有効的に使うことができます。

これらは両方とも、社員の心身のストレスを軽減し、理想の働き方に近づけるため、生産性をより向上させることにもつながります。また企業側にとっても、交通費や移動費を削減できるというメリットがあります。

・BCPへの対策ができる
東日本大震災や、年々被害が大きくなる台風などによりBCP(事業継続計画)が非常に重要視されるようになりました。業務が本社集中型だと、本社が何らかの有事によりマヒしてしまうと、企業へのダメージが大きくなります。離れた場所のオフィスが機能していれば、代わりに業務を執り行うことができるので、業務を停止することも無く、また復旧を早めることもできます。

・人材の確保ができる
育児や介護により、都心までの通勤が困難な人材を確保することができます。また、これまで都会での暮らしや仕事を希望していなかった地方の優秀な人材に出会う機会も増えるでしょう。

・地方活性化を推進できる
人口が流出し、高齢化が進んだ地方や限界集落に対して、貢献することができます。若い人材が仕事をして住むことによって、地方の少子化問題にも取り組むことができます。

サテライトオフィスのデメリットは?

・コミュニケーションや情報共有不足
本社とのコミュニケーションや情報共有の不足が懸念されます。また、対面で会議や商談を行うことが困難になります。

しかし、現代ではインフラの整備や、チャットワークやSlackなどのコミュニケーションツールや、stockのような情報共有ツールの充実によって、この問題は解消されつつあります。また、働き方の多様化が推進されている昨今では、テレワークや在宅ワークの推進のためにも、便利なITツールを導入することが期待されています。

・セキュリティ対策
先述のように、ITツールを導入する場合、情報漏洩が懸念されます。サテライトオフィスを設置する企業は、万全のセキュリティ対策が必要になります。

いかがでしたか?サテライトオフィスの設置の始まりは、1988年に設置された「志木サテライトオフィス」であり、意外に歴史が長いのです。以降、数々の企業がこのサテライトオフィスを導入するようになりました。バブル崩壊により、サテライトオフィス制度は一旦下火になりましたが、「働き方改革」により、再燃し注目を集めています。

サテライトオフィスの設置により、無駄な時間を省き、社員が理想のライフワークバランスが取れた働き方ができることは、社員と企業、双方にとってメリットがあると考えられます。ぜひ、生産性の高い企業を目指し、サテライトオフィスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

(画像はPixabayより)

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高野勤一
高野勤一