体調管理も重要な仕事。体の免疫を高める方法とは?

2018.05.24
体調管理に大切な「免疫」

体調不良は仕事にも影響を与えます。私達の身の回りにはちょっとした風邪からインフルエンザ、体の中に発生するがんまでさまざまな病気のリスクが存在します。

風邪を感染症やがんなど病気の防止に大きな役割を果たすのが「免疫」と呼ばれる体に備わったシステムです。ここでは免疫についての基礎知識から免疫を高める方法まで解説していきます。

そもそも免疫とは

免疫とは読んで字のごとく疫病、つまり病気を免れるため体に備わった防御システムです。

体の外から侵入してこようとするウイルスや細菌や、体の中で変質しがんなどの元になる細胞を攻撃、殺傷し排除します。体への影響を最小限に食い止め、同時に体の修復をうながす指令を出し生命を守ります。

免疫には元々備わっている「自然免疫」と「獲得免疫」があります。体に侵入してきた細菌やウイルスを攻撃するのが自然免疫。病気にかかるなどした場合、外敵を記憶して攻撃を加えるのが獲得免疫です。

獲得免疫の仕組みを利用して病気にかかることをあらかじめ防ぐための方法が私達の受ける予防接種です。もしこの免疫システムが備わっていなければ人は外気の中で生きていくことができません。

免疫に大切な免疫細胞とその種類

免疫には免疫細胞がその役割を担っており、骨髄や胸線で生み出され、血液やリンパ液の中に存在しています。

体の中の敵を認識して他の仲間に知らせる役割を持ったもの、体の中に取りこんで食べてしまうものなどそれぞれ特別な役割を持っているのが特徴。主な免疫細胞は以下のようなものがあります。

樹状細胞
体の中に侵入してきた異物を取りこみ、侵入者の特徴を他の免疫細胞に伝える重要な役割をしています。

マクロファージ
侵入者を体の中に取りこんで消化するほか、外敵の存在を他の免疫細胞に伝える役割もしています。

T細胞
ウイルスなどに感染した細胞やがん細胞を見つけて排除するのがこのT細胞です。問題のある細胞に取りつき殺すキラーT細胞やキラーT細胞の活動を抑制することや免疫活動を終了させる役割を持つ制御性T細胞などがあります。

B細胞
樹状細胞の情報を受け、外敵や体の中の遺物を攻撃する抗体を作り出す役割を持っています。

顆粒球
体に侵入したカビや細菌などを攻撃する好中球や寄生虫の感染に
対処するために好酸球などがあります。

免疫を高める方法にはどんなものがある?

体に備わった免疫を高めるにはさまざまな方法があります。

食事
体に必要な栄養を摂取することは、免疫の働きを上げるためにも重要です。ビタミンや食物繊維、ミネラルのほかヨーグルトや納豆など発酵食品も積極的に取り入れることで免疫の向上に役立ちます。また、しょうがや香辛料を用いることで体温を上げる効果も期待できます。

体温を高く保つ
体温が1度下がると免疫力は3割ほど落ちると言われています。体温を高く保つことで免疫力を上げることも可能。運動のほか、入浴を行うことで体温を上げることが可能です。

睡眠や休息
睡眠や休息をとることは自律神経を正常化して体の環境を整えるためにも重要です。特に寝る時の姿勢や寝具、寝る時間にも気をつけることで良質に保つことができます。

運動をする
運動をすることで体温の上昇や血液の循環が良くなり免疫の活性化に役立ちます。また、筋肉がつくことで常にエネルギーを消費し、熱を作り出し免疫力を保つ働きをします。

呼吸
呼吸を鼻から息を吸い、口から吐き出す腹式呼吸にすることで体の活性化を促進することができます。

ツボ
ツボを押すことで体に良い影響を与えることができるのは免疫でも同じです。親指の付け根にある「合谷」や膝の少し下にある「足三里」などは腸内の環境を保つ役割があります。

笑う
近年の研究で笑うことはストレスの軽減、認知症の予防などさまざまな効果があることが報告されています。

がんを抑制したという報告もあり、体の免疫にも良い影響があると考えられています。

免疫のために特に重要な「食事」

免疫を上げる方法の中でも特に大切にしたいのが食事です。さまざまな栄養素をとることで体や免疫細胞をつくる元になることはもちろんですが、体の免疫の6割以上が腸にあるとされているからです。

腸内には「善玉菌」と「悪玉菌」が存在し、善玉菌が優勢な状態を保つことで免疫細胞にとって良い環境を作り出すことができるのです。

ですから、バランスのとれた食事をとるのはもちろんですが、腸内の環境を正常に保つために乳酸菌等を含む発酵食品やもとりたいものです。

また、免疫細胞の活性化に役立つたんぱく質やカルシウム・鉄・マンガンなどの微量ミネラル分を含んでいる食材も食事に取り入れましょう。

ただ、一つ注意をしたいのは、効果が期待できるからといって特定の食品だけを多くとることです。食事はバランスが大事、ビタミン・ミネラル・食物繊維などをバランスよく取り入れましょう。

加えて適度な運動と休息をとることで免疫を良好な状態に保ち、体のこんディ損を保つことができるのです。体調管理をするのも仕事の一つ。日ごろの生活に免疫を高める方法を取り入れて習慣にしてください。

(画像は写真ACより)

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石原健児
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