休みたくても休めない?保育士が直面する職場環境の実態とは
2017.09.09
株式会社ウェルクスは、2017年7月14日から19日にかけ、現役の保育士107名を対象にアンケート調査を行い、そのうち有給休暇取得対象である103名から得た回答を元に、有給休暇取得の実情について、その結果を発表した。
保育の現場では人材不足が叫ばれて久しいが、有給休暇をどれくらい取れているのか、現場で感じている不安などについて実態が分かってきた。
本来、有給休暇は労働基準法によって定められ、ゆとりある生活を保障するもの。しかし、職場環境によっては有給休暇が思うように取れないという悩みもある。人材不足が課題となる保育の現場でも、有給休暇の取りにくさが職員の不満となっている。
103名から回答を得られた有給休暇の実態については、有給休暇を取得したことがあると答えた人が86%、ないと答えた人は13%に留まった。
また、有給休暇の利用方法の71%が体調不良、家族や趣味など、自分のために使ったという回答が43%となり、健康診断や通院などに使った人は33%となった。
特徴として、体調不良や通院など、やむを得ない事情に有給休暇を使用しているケースが非常に多く、自分や家族のために使うケースを大幅に上回る結果となった。
また、11%にあたる、上記以外の有給休暇については、本人の希望と言うより、職場都合で取らされたケースが挙げられている。本来ならば自由に取得できるはずの有給休暇が、職場に左右され、意思の自由が利かない実態が浮かび上がってきた。
では、有給休暇を取りやすいかどうか、というアンケート結果については、取得しやすいと答えた人が42%なのに対し、取得しにくいと答えた人は58%と、大きく上回る結果となった。
さらに、取得しにくいと感じる理由については、49%の人が現場の人員不足や忙しさを挙げ、次いで体調不良などのやむを得ない場合しか取得できないことを挙げた人が28%、上司や先輩などが取っていないことを理由に挙げた人が18%となっている。
また、固定給に有給休暇が割り当てられてしまい、自分が使いたい時に使えないという悩みや、雇用形態によって取りやすさが違うなどといった不満が多く上がっていた。
また、有給休暇をすべて消化できるかどうかについては、必ず消化できると答えた人は16%に留まり、必要性があれば消化できると答えた人が33%、消化できないと答えた人は41%と、半数近い人は有給休暇をもらっても消化しきれていないことも分かった。
さらに、消化できなかった有給休暇に対しての職場の対応にも問題点がうかがえる結果となった。翌年に持ち越せるという回答が53%なのに対し、特に対処してくれないという回答が38%に上った。これ以外に、残りの有給休暇を金銭に換算して買い上げてくれるという回答もあったが、わずか2%に留まった。
ただでさえ人材不足が叫ばれている保育の現場。さらに有給休暇も思うように取れないとなれば、人離れを避けることは難しくなるだろう。働く人がより快適に、前向きな気持ちで仕事に向き合える環境作りが欠かせない。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社ウェルクスのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000113.000013773.html
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